
荒れるレースとは、人気薄の馬(穴馬)が好走して高額配当となるレースのことです。
予想は難しいですが当たれば大きな払い戻しを得られる魅力的なレースです。
本記事では、荒れるレースの特徴や見分け方、効果的な予想法と買い方、注意点を徹底解説します。
荒れるレースを攻略して高配当獲得しましょう!
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目次

1969年デイリースポーツ入社。その後、専門誌・馬三郎にて本紙予想担当。50年越えの競馬記者人生を通して、競馬予想界の大御所と言われるほどに。
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監修者紹介ページ競馬の荒れるレースの特徴
競馬において「荒れるレース」とはどのようなものか、よくわからない方も多いかもしれません。
実際のところ、「荒れるレース」は明確に定義されているわけではなく、人によって“荒れた”と感じる基準は異なります。
しかし、一般的には次のようなレースが「荒れるレース」と呼ばれることが多いです。
- 平均配当より高額なレース
- 大穴馬が馬券に絡むレース
- 予期せぬアクシデントで予想外の結果になったレース
順に説明します。
平均配当より高額なレース
引用:JRA-VAN
馬券の払戻金が平均(中央値)よりも大きく跳ね上がったレースは「荒れた」と判断されます。
例えばJRAの2005〜2020年約4万8千レースのデータでは、単勝の中央値は約490円、三連単は約30,510円でした。
この中央値を上回る高配当になったレースは荒れたレースといえます。
特に万馬券(払い戻しが1万円超)の馬券が飛び出すようなレースは典型的な「荒れるレース」です。
大穴馬が馬券に絡む
人気が二桁のような「大穴馬」が1着〜3着に入ると荒れたレースと言えるでしょう。
過去の例では、2015年のG1ヴィクトリアマイルで18番人気の馬が3着に入り、三連単の払戻金は20,705,810円という驚異的な高配当となりました。
このレースでは勝ったストレイトガールが5番人気、2着ケイアイエレガントが12番人気、3着ミナレットが18番人気というように、人気薄ばかりが上位を独占しています。
また、2024年のフェブラリーステークスでも11番人気の馬が優勝し、三連単は153万馬券(1,530,500円)となりました。
このように低評価の穴馬が馬券圏内に入るとレースは大荒れとなり、高配当が生まれます。
予期せぬアクシデントで予想外の結果になった
レース中の落馬や不利などアクシデントによって有力馬が力を発揮できず、思わぬ馬が上位に来るケースも荒れるレースの一つです。
例えば2002年のクラシック競走では、スタート直後に1番人気馬が落馬するアクシデントがありました。
その結果、10番人気のヒシミラクルが優勝し、16番人気のファストタテヤマが2着となって馬連は96,070円という波乱の払戻しを記録しています。
このように予測不能のハプニングはレース結果を一変させ、荒れるレースになります。
荒れやすいレースの見分け方
荒れるレースの特徴を説明しましたが、どうやって事前に荒れるレースを見極めればいいのでしょうか。
事前に荒れるレースかどうかを見分ける方法としては以下の方法が有効です。
- 出走頭数が多い
- 馬場状態が不良や重
- 新馬戦やハンデ戦
- ローテーション・間隔
- オッズが拮抗
それぞれ詳しく説明していきます。
出走頭数が多い
基本的に、出走馬が多いほど組み合わせは増え、荒れる要素も高まります。
馬群が大きくなることで展開が複雑になり、有力馬が不利を受けるケースも少なくありません。そのため、多頭数のレースは荒れやすい傾向にあると言えます。
実際に5頭立てなどの極端に少ない頭数では波乱は起きにくいため、10頭以上が出走するレースは注意しましょう。
馬場状態が不良や重
雨や雪などで馬場が悪化したレースは実力馬が実力通り走れないことも多く、荒れる確率が上がります。
実際、馬場状態別のデータでは不良馬場のレースが平均配当1,410円と最も高額で、良馬場(平均1,010円)に比べて明らかに高配当傾向という数字が出ています。
重馬場もそれに次いで高く、馬場が悪いほど荒れやすくなります。
なので稍重~不良のコンディションでは荒れやすいと考え、普段より注意深く予想する必要があります。
新馬戦やハンデ戦
初出走の馬同士が争う新馬戦(メイクデビュー)は情報が少なく予想が難しいため荒れやすい傾向があります。
実際に新馬戦の単勝平均配当は約1,220円と全クラス中で最も高く、未勝利戦や条件戦よりも波乱度が高くなっています。
またハンデキャップ競走(ハンデ戦)も荒れるレースの代表格です。
能力に応じて負担重量が調整されるため実力比較が難しく、ハンデ戦の単勝平均配当は約1,180円と他の定量戦(約1,010円)等より明らかに高配当となっています。
ハンデによる重量差で実力馬でも苦戦することがあり、新馬戦とハンデ戦は荒れる確率が高い典型と言えます。
ローテーション・間隔
出走間隔やローテーションも荒れるレースを見極める一つのポイントです。
久々の出走(長期休養明け)の馬や、逆に短い間隔で続けて使われている馬が多いレースは、各馬の調子や適性を見極めにくく荒れやすい傾向があります。
特に有力馬が「出走が久々」の場合は本来の実力を出せず凡走するケースも多く、荒れる要因に。
また、開催後半のレースも要注意です。
開催が進むにつれてコースが荒れて有力馬が実力どおり走りづらくなるため、開催最終日の最終レースは配当が跳ね上がりやすいというデータもあります。
こうしたローテや開催時期の条件が重なるレースでは荒れやすいと考えておきましょう。
オッズが拮抗
レース前の単勝オッズの分布も荒れるレースを見分ける重要な手がかりです。
1番人気のオッズが3.0倍以上と人気が割れているレースは荒れる確率が非常に高く、実際そのようなレースでは三連単はほとんどの場合万馬券(払い戻し1万円超)になっています。
逆に1番人気のオッズが1.5倍前後のような「一本かぶり」の人気では波乱は起きにくく堅い決着になりやすいです。
統計上も、1番人気オッズが1.9倍以下のレースではその馬が連対(2着以内)する確率は約62%、3着以内なら約78%に達し、配当も落ち着くケースがほとんど。
人気上位のオッズ差が小さい接戦レース(人気が拮抗しているレース)こそ荒れる可能性が高いと言えるでしょう。
荒れやすいG1レース・競馬場ランキング
ここでは、データに基づき荒れやすい傾向のあるG1レースと荒れやすい競馬場をランキング形式で紹介します。
過去の統計から荒れる確率の高いレース・コースを知っておきましょう。
荒れやすいG1レースTOP3
過去10年間の三連単平均払戻金が高いG1レースは以下の3つです。
- ヴィクトリアマイル
- 高松宮記念
- エリザベス女王杯
ヴィクトリアマイル – 平均三連単配当:約2,241,214円
ヴィクトリアマイルは春に東京競馬場で行われる古馬牝馬限定マイルG1です。
平均配当が200万円超と群を抜いて高く、2位以下と比べても桁違いの荒れやすさを誇ります。
実際に2015年には三連単2,070万馬券というG1史上最高クラスの大荒れレースとなっています。
G1レースの中でも圧倒的に荒れやすいレースなので覚えておきましょう。
高松宮記念 – 平均三連単配当:約842,142円
高松宮記念は、春の中京競馬場・芝1200mで行われるスプリントG1です。
天候や展開次第で波乱が起きやすく、平均配当は約84万円と高額になってます。
近年もに長けた人気馬の激走があり荒れやすい傾向です。
エリザベス女王杯 – 平均三連単配当約417,758円
エリザベス女王杯は秋の京都(現在は阪神代替)・芝2200mで行われる古馬牝馬戦限定G1です。
三連単平均配当は約41万円という高い平均配当を示しており、過去には逃げ馬同士の穴馬決着などの大波乱も。
展開、馬場、気性、成長度など多くの要素が絡み合うレースで、予想が難しいため荒れるレースと言われています。
荒れやすい競馬場TOP3
次に、中央・地方競馬場を含め単勝平均配当が高い競馬場を見てみましょう。
以下の競馬場は他と比べて波乱決着が多い傾向にあります。
- 福島競馬場
- 小倉競馬場
- 新潟競馬場
福島競馬場 – 単勝平均配当:約1,110円
福島は小回りコースで癖が強く、人気馬が取りこぼすケースも多い競馬場です。
全競馬場で唯一単勝平均が1,100円を超えており、最も荒れやすい競馬場といえるでしょう。
小倉競馬場 – 単勝平均配当:約1,050円
小倉も福島と並ぶ小回り平坦コースで、逃げ・先行馬が残って波乱になるケースや、逆にペース次第で人気薄の台頭が見られます。
平均配当は1,000円超えで荒れるレースが多い傾向です。
新潟競馬場 – 単勝平均配当:約1,049円
新潟は直線の長いコースや直線1000m戦など特殊条件があり、波乱含みの結果が出やすい競馬場です。
夏開催のローカル重賞でも穴馬の激走が度々見られ、平均配当も上位に位置しています。
荒れるレースの予想方法
荒れるレースで高配当を的中させるには、通常以上に入念な予想が求められます。
ここでは荒れるのレースを予想する際に有効なポイントを紹介します。
- 展開を重視する
- 馬体重や調教内容のチェック
- 不良馬場の適性をチェック
展開を重視する
荒れるレースではレース展開(ペースや位置取り)が結果を大きく左右します。
人気馬が実力を出し切れないパターンとして、ハイペースで先行勢総崩れ・差し追い込み勢台頭、あるいはスローペースで逃げ残りといった展開が多くあります。
実際、勝ち馬の脚質別に見ると逃げ・追い込みなど極端な脚質の馬が勝ったレースほど波乱傾向が強く、差し馬より追い込み馬が勝利したレースの方が平均配当は高いデータも(追い込み馬勝利=平均1,400円と最高値)。
そこで予想時にはメンバーの先行タイプの多寡やペースメーカー不在などを分析しましょう。
「先行馬が多すぎてハイペース必至 → 差し・追い込み馬の台頭に注意」「逃げ馬が一頭だけ → スロー逃げ切り警戒」など、展開次第で台頭しそうな伏兵を拾っておくことが高配当的中への近道です。
馬体重や調教内容のチェック
荒れるレースでは各馬のコンディション見極めも重要です。
必ず馬体重の増減や直前の調教時計・内容にはしっかり目を配りましょう。
大幅な馬体重減少がある人気馬は調整失敗の可能性があり凡走リスクが高まります。
一方、人気薄でも最終追い切りで好タイムをマークした馬や、前走から馬体を絞って出来が上向いている馬は波乱を起こす可能性があるかもしれません。
実際、JRAでは重賞で出走各馬の「調教後の馬体重」を公表しており、これはファンにコンディション情報を提供するためのものです。
プロの予想家も「調教映像で動きが良い穴馬」や「馬体重が理想値に近づいた馬」には注目しており、人気に関係なく狙ってみる価値があります。
馬の状態面から波乱要因を探ることも予想精度向上に役立つでしょう。
不良馬場の適性をチェック
前述のように馬場悪化時は波乱含みですが、裏を返せば馬場適性の有無がカギとなります。
そこで過去に同じような悪馬場で好走経験がある馬や、血統的にパワー型で道悪巧者と言われる馬を重視しましょう。
例えば、父系に欧州血統を持つ馬やダート実績馬は雨で渋った芝でも力を発揮しやすい傾向があります。
実際に雨天の稍重条件で荒れたレースを分析したところ、過去の重馬場以上の経験や実績を確認することが重要と判明しています。
前走成績だけで人気薄になっている馬でも、同じ競馬場の重い馬場で好タイムを記録した経験があれば侮れません。
このように馬場適性を見極め、道悪巧者の穴馬を拾えるかが不良馬場の波乱レース攻略のポイントです。
荒れるレースでおすすめの買い方
荒れるレースではどの券種で勝負するかも重要です。
高配当を狙うにしても的中しなければ意味がありません。
そこで、荒れるレースでリスクとリターンのバランスが取れた買い方として以下の券種がおすすめです。
- 複勝
- ワイド
- 馬連
順に解説します。
複勝
荒れるレースでも的中率が最も高い券種が複勝(選んだ1頭が3着以内に入れば的中)です。
1点買いで1着~3着のいずれかをカバーできるため、荒れた展開でどの馬が勝つか読みにくい場合でも、「この馬は3着以内に来るかも」という一発狙いが当たりやすいです。
配当は他の馬券より低めですが、それでも人気薄が絡めば複勝でも思わぬ配当になることも(JRA史上最高の複勝払戻金は18,020円)。
競馬初心者や自信がないレースでは複勝で堅実に穴馬を狙うのが良いでしょう。
ワイド
ワイドは選んだ2頭がともに3着以内に入れば的中となる馬券で、比較的当てやすく配当も複勝より高めです。
難易度は複勝より上がりますが、その分配当は概ね2倍以上が期待できる券種です。
荒れるレースでは「軸に穴馬+相手も手広く穴まで拾う」買い方が有効で、ワイドならヒモ荒れ(1頭は人気馬、もう1頭は穴馬という決着)でも確実に払い戻しを得られます。
的中率と配当のバランスに優れた券種なので、迷った場合はまずワイドで検討してみるとよいでしょう。
馬連
馬連(2頭の組み合わせが着順問わず1着・2着)は荒れるレースで高配当を狙う定番の買い方です。
的中のためには選んだ2頭が上位独占する必要がありリスクはワイドより高いですが、その分配当もワイド以上に跳ね上がります。
人気馬同士の決着では配当は低いですが、人気薄を絡めれば万馬券も狙えるのが馬連の魅力です。
荒れそうなレースでは、思い切って穴馬を軸に据え、そこから数頭に流す買い方が有効でしょう(例:大穴馬を軸に相手5頭に馬連流し=合計5点購入など)。
実際、様々なプロ馬券師も「荒れるレースで勝負するなら、3連単より当てやすい馬連・ワイドで手広く狙う方が賢明」というほど。
高配当と的中率のバランスを取るなら馬連中心の戦略も有力と言えます。
当てることを重視しよう
以上のように、荒れるレースでは「当てること」を重視した券種選びがポイントです。
どうしても高額配当が欲しいからといって無理に三連単のみを狙うよりも、まずはワイドや馬連など比較的当てやすい馬券で的中を拾う方が堅実でしょう。
的中させて払い戻しを得た上で、更に高配当を狙いたい場合に絞った三連複・三連単を追加で買う、といった作戦も一つの手です。
荒れるレースを予想する際の注意点
荒れるレースは魅力的ですが、挑む際にはリスク管理に注意しましょう。
波乱を期待して高配当を狙う以上、的中率はどうしても下がります。資金配分(予算管理)の重要性を肝に銘じましょう。
具体的には「高配当狙いの馬券は資金の一部に留め、残りは堅実なレースに充てる」「一点あたりの購入額を抑え、少額で広く流す」など、負けても致命傷とならない範囲で勝負することが大切です。
実際、穴党(波乱狙い)のファンは堅い決着の日には馬券が当たらず全敗なんてことも多いです。
そうした日が続いても資金が尽きないよう計画的に投資することが長く競馬を楽しむコツです。
荒れるレースにばかり夢中にならず、固いレースとのメリハリをつけて楽しみましょう。
荒れるレースを見極めて高配当獲得しよう!
荒れるレースは一見難解ですが、その特徴や見分け方を理解し、適切な予想法と券種選択で臨めばチャンスは掴めます。
実際「荒れるレースは敬遠しがちだけれど、きちんと特徴や買い方を理解すれば一攫千金を狙える」とも言われています。
ぜひ今回紹介したデータや過去事例を参考に、波乱含みのレースを冷静に見極めてみてください。
人気に惑わされず条件や展開から穴馬をあぶり出し、堅実な買い方で的中を獲得しながら高配当を狙い撃ちましょう!