
「当たってもお金が減る一方」「競馬で勝つにはどう買えばいい?」そんな悩みを抱えていませんか?
本記事では「馬券の上手な買い方」をテーマに基本的な考え方をはじめ、回収率重視の馬券の買い方、レース前に見るべき予想ポイント、競馬予想ツールの活用まで、今日から実践できるノウハウを初心者向けに解説します。
目次

1969年デイリースポーツ入社。その後、専門誌・馬三郎にて本紙予想担当。50年越えの競馬記者人生を通して、競馬予想界の大御所と言われるほどに。
当サイトの記事や競馬予想サイトへの口コミ内容を監修している。
監修者紹介ページ競馬における馬券の上手な買い方とは?
まず競馬において「馬券の上手な買い方」とは何なのか?下記内容を元におさらいしていきます。
- 回収率(利益)を上げることが重要
- 回収率の計算方法
- 的中率と回収率の違い
- 初心者が失敗しやすいダメな買い方
回収率(利益)を上げることが重要
競馬で利益を出すためには、回収率を100%以上にする必要があります。
これはすなわち「購入金額<払戻金額」の関係になるように馬券を的中させる必要があり、払戻金額によって差額が利益となる場合もあれば、損失(通称トリガミ)となる場合もあります。
特に初心者は「的中率(勝ち負けの割合)」ばかりに注目しがちですが、本当に重要なのは投じた金額に対してどれだけのリターンがあったかを示す「回収率」です。そして、この回収率に大きな影響を与えるのが「オッズ(概算払戻率)」となります。
・B:購入金額1,000円×オッズ3.0倍=払戻金額3,000円(収支±0円)
・C:購入金額1,000円×オッズ4.0倍=払戻金額4,000円(収支+1,000円)
参考:JRA
回収率の計算方法
回収率の計算方法は、下記の計算式で算出することができます。
払戻金額 ÷ 購入金額 × 100 = 回収率(%)
なお、回収率はレース単体ではなく、これまでの馬券成績の全てで把握することが重要です。例えば、1日に合計10,000円分の馬券を購入し、不的中がありつつも最終的には15,000円の払戻金を得たとします。計算式は「15,000円÷10,000円×100」で回収率は150%。つまり、5,000円の利益が出たことになります。
年間収支がプラスになるような競馬が上手い人はこの回収率を「収支表」で管理しており、さらにレース名、距離、天候、馬場、血統、騎手といった項目を設けてレース分析も行っています。この地道な努力が競馬が上手い人の特徴の1つであり、回収率100%以上になる買い方を見出している所以でもあります。
参考:JRA
的中率と回収率の違い
的中率は「購入したレースのうち、いくつ当たったか」を示す割合であり、回収率は「投じた資金に対して、いくら戻ってきたか」を示す割合です。
前述のとおり、初心者は当てる喜びを優先するあまり、的中率ばかりを追い求めてしまうことがあります。たとえ10レース中8レース的中(的中率80%)という驚異的な成績だったとしても、回収率が100%未満であれば収支はマイナス。ギャンブルという側面では本末転倒ということになります。
もちろん記念で馬券を購入するのも良しですが、「勝ち」にこだわるのであれば、的中率という満足感ではなく、回収率という実利を重視することがポイントです。
参考:JRA-VAN
初心者が失敗しやすいダメな買い方
競馬初心者が回収率を下げてしまう背景には、「的中率重視で多点買いする」「1番人気馬ばかり買う」「戦略なしで全レースに参加する」といった典型的な失敗例が挙げられます。
最も多いのが「的中率重視で多点買いする」こと。当たる確率を上げたい一心で多くの組み合わせを買ってしまう気持ちもわかりますが、オッズを考慮せずに買うと的中しても利益が出ない「トリガミ」を招くばかりになります。
次に「1番人気馬ばかり買う」ことも統計上は負けに繋がります。JRAによれば「中央競馬における単勝1番人気の勝率は30%程度。単勝オッズ1倍台の馬でも、勝つ確率は50%強程度」とのこと。理論上1/3で勝ちますが、低オッズのためマイナス分を回収することが難しく、長期的に見ればマイナス確定です。
そして「戦略なしで全レースに参加する」のもNG。もちろん、これも競馬場に来た記念であれば問題ありませんが、「前のレースで負けたので次で何とか回収してみせる」といったパターンは危険です。レースには予想しやすいレースと、そうでないものがあり、勝負すべきレースを厳選せずに無闇に手を出すと、必然的に負ける確率が高まってマイナス収支を招くことになります。
馬券の種類と勝ちやすさ
券種 | 概要 | 的中率 | 払戻率 | 平均配当 |
---|---|---|---|---|
単勝 | 1着馬を当てる | 7.3% | 80% | 954円 |
複勝 | 3着以内に入る馬を当てる ※7頭立て以下は2着以内 | 21.9% | 80% | 335円 |
枠連 | 1・2着馬が入った枠番の組合せを当てる | 3.57% | 77.5% | 2,070円 |
馬連 | 1・2着馬の番号を当てる ※順不同 | 1.15% | 77.5% | 5,013円 |
馬単 | 1・2着馬の着順まで正確に当てる | 0.57% | 75% | 10,005円 |
ワイド | 3着以内に入る2頭の番号を当てる ※順不同 | 3.45% | 77.5% | 1,871円 |
3連複 | 1〜3着馬3頭の番号を当てる ※順不同 | 0.29% | 75% | 19,649円 |
3連単 | 1〜3着馬3頭の着順まですべて当てる | 0.05% | 72.5% | 119,198円 |
WIN5 | 指定5レースすべての勝ち馬を当てる | 0.0002% | 70% | 26,971,544円 |
※的中率:JRAが報告した2024年度の平均出走頭数(13.7 頭)を用いた理論値 / 払戻率:JRAが定める勝馬投票法ごとの払戻率 / 平均配当:JRA-VANおよびUMAWikiによる統計 / 応援馬券は除外
馬券は、当たりやすい券種ほど配当が低く、難しい券種ほど高配当になる傾向があります。
例えば、複勝は約1/6で当たるため初心者向きですが、平均配当は335円と少額。一方、3連単は数百〜数千回に1回しか当たらない確率ですが、当たれば約15万円の高配当が得られます。WIN5に至っては平均約2,700万円という夢の金額である反面、的中率は実質「宝くじ」に近い券種です。
またJRAが定める控除率(運営に支払う手数料)も券種で異なります。例えば、単勝・複勝は控除率20%(払戻率80%)ですが、3連単は控除率27.5%(払戻率72.5%)です。つまり、3連単は当たりにくいうえに賭け金の約1/4が最初から差し引かれるため、よほど上手く買わないと回収率をプラスにできません。
これらを踏まえると、競馬初心者は「還元率が高く当てやすい馬券から始める」のがポイントです。
まずは3着以内に入れば的中の「複勝」で勝負する感覚を掴み、慣れてきたら選んだ2頭が3着以内に入れば的中となる「ワイド」にチャレンジ。これらで経験を積んだ後、徐々に馬連や3連複へとステップアップし、最終的に戦略を立てて3連単に挑戦する。これが資金を減らさずに長く楽しむための上手な買い方と言えるでしょう。
【券種別】回収率重視の買い方一覧
券種 | 買い方 | 狙い目(理由) |
---|---|---|
単勝 | 「1点買い」 | 1番か2番人気の馬を1頭選ぶ 超初心者でもわかる簡単ルールで、トリガミも発生しない。 |
複勝 | 「1点買い」 | 前走で5着以内の堅実馬を1頭選ぶ 3着以内ならOKなので的中しやすく、資金が減りにくい。 |
枠連 | 「1点買い」 | 1番人気馬+コース有利枠の条件で買う 馬の実力と有利なスタート位置の掛け合わせで勝率が高い。 |
馬連 | 「流し」 | 1番人気を軸に6〜9番人気へ2〜3点流す 「堅い軸+ちょい穴」で万馬券も狙え、点数も少なく済むバランス型。オッズと的中率の釣り合いが取りやすい。 |
馬単 | 「フォーメーション」 | 逃げ・先行有利な1着候補を決め、差し馬を2着に据える(計6点以内) 着順を当てる分配当アップ。フォーメーションで順番違いをカバーしつつ買い目を最小限に抑えられる。 |
ワイド | 「流し」 | 7〜10番人気の善戦マン※を軸に1〜3番人気へ2点流す 「穴×本命」でハズレにくく、当たれば2〜10倍とそこそこの配当。長く遊びながら資金が回りやすい。 |
3連複 | 「流し」 | 1番人気を軸に中穴4頭へ流す(計6点) 軸が来れば万馬券も射程。1頭軸なので点数が抑えられ、資金効率が良い。 |
3連単 | 「フォーメーション」 | 少頭数(12頭以下)のレースで「1着に来そうな馬1頭 → 2着に来そうな馬2頭 → 3着に来そうな馬3頭」の組み合わせ6点を選ぶ 少頭数なので順番を読みやすい。点数を6点に限定すればリスクを抑えつつ高配当が狙える。 |
※善戦マン:実力はあるが勝ちきれない馬のこと。例:ナイスネイチャ、ステイゴールド(ゴルシやオルフェの父)
各券種の特性をある程度理解したら、次は具体的な買い方を見ていきましょう。上記表は、回収率重視で初心者にもおすすめの買い方一覧です。
以下ではそれぞれの買い方について詳しく解説していきます。
- 単勝:「1点買い」で1~2番人気の馬を狙う
- 複勝:「1点買い」で前走5着以内の馬を狙う
- 枠連:「1点買い」で人気馬+コース有利枠を押さえる
- 馬連:「流し」で1番人気から中穴へ2~3点流す
- 馬単:「フォーメーション」で逃げ・先行馬を1着固定
- ワイド:「流し」で中穴軸+本命2点の保険をかける
- 3連複:「流し」で1番人気馬+中穴4頭の6点で勝負
- 3連単:「フォーメーション」で少頭数レースを6点で勝負
単勝:「1点買い」で1~2番人気の馬を狙う
単勝は1着の馬を当てる馬券のこと。単勝で回収率を意識するなら、買い方は「1点買い」が鉄則です。
複数の馬で単勝馬券を買ってしまうと、的中してもハズレ馬券代で利益が減るか、トリガミになる可能性が高まります。
狙うのは、統計的にも勝率が高い1番人気か2番人気の馬です。JRA-VANのデータによれば、中央競馬における1番人気の勝率は32.9%、2番人気の勝率は18.4%、3番人気の勝率は13.8%。単勝1点買いは、当たればそのオッズがそのまま回収率になり、さらにルールも単純なため競馬の超初心者におすすめです。
参考:JRA-VAN
複勝:「1点買い」で前走5着以内の馬を狙う
複勝は3着以内に入る馬を当てる(7頭立て以下は2着以内を当てる)馬券のことで、複勝も買い方は「1点買い」が鉄則です。
全券種の中で最も的中率が高く、3着以内に入れば的中という緩さはありますが、複勝は配当が低いため少しでも買い目を増やすとトリガミのリスクが非常に高くなります。
狙うべきは、前走で掲示板(5着以内)を外していないような堅実な馬です。JRA-VANの過去10年のデータ分析「オークス」「日本ダービー」「チャンピオンズC」を統計すると、前走5着以内の馬が次走で3着以内に入る確率は平均値:77.8%、中央値:76.7%と高水準です。もちろん、これは3レースでの理論値ですが、堅実な馬は大崩れすることが少なく、3着以内に入る確率が比較的高い傾向にあります。
枠連:「1点買い」で人気馬+コース有利枠を押さえる
枠連は1着と2着になる馬の枠番号の組合せを当てる馬券のこと。馬番よりも組み合わせが少なく、初心者にも分かりやすい券種です。回収率を高める買い方としては、1番人気の実力馬を軸としたコースの有利不利を利用した「1点買い」が有効です。
まずは「○○レースでは○枠と○枠の成績が良い」といった情報を探します。例えば「G1・スプリンターズS」が行われる中山競馬場の芝1200mコース。ここは最後の直線が約310mと4大競馬場の中で最も短く、さらに4コーナーの角度がきついことから、内枠(特に1枠・2枠)が有利と言われる代表例です。
そして、実際のレースで1番人気の馬が有利な枠にいる、あるいは近い位置にいるかを確認しましょう。条件が揃った場合は1番人気の馬を軸に、2着に入りそうな馬のいる有利枠を押さえましょう。
馬連:「流し」で1番人気から中穴へ2~3点流す
馬連は1・2着馬の番号(順不同)を当てる券種です。回収率重視の買い方としては「流し」がおすすめ。
流しは連対する(2着以内に入る)確率が極めて高いと思う馬を1頭「軸」に据え、その馬から相手となる馬(ヒモ)へ数点流す方法です。
初心者におすすめな組み合わせは、軸に1番人気馬を選び、相手として6番人気〜9番人気あたりの中穴馬を2〜3頭選ぶやり方です。この「堅い軸+ちょい穴」の組み合わせは、買い目を少なく抑えつつ、もし中穴馬が絡めば万馬券も狙えるため、非常にコストパフォーマンスに優れた買い方と言えます。
参考:JRA-VAN
馬単:「フォーメーション」で逃げ・先行馬を1着固定
馬単は1・2着馬の着順まで正確に当てる券種で、馬連よりも配当が高くなります。この高配当を狙うには、レース展開を読んだ「フォーメーション」が有効です。
フォーメーションは、1着・2着に入る馬をそれぞれ複数指定し、考えられる組み合わせを一括購入する方式であり、馬単では特にメンバー構成やコース形態から、特定の馬が逃げ切る、あるいは先行してそのまま押し切る展開が予想される場合に有効な買い方です。
具体的には「1着に来る可能性が最も高い」と思う逃げ・先行馬を1着に固定し、2着に来そうな馬を複数選ぶ買い方をします。買い目を6点以内に絞ることで、リスクを管理しつつ、馬連よりも高いリターンを狙うことができます。
参考:JRA-VAN
ワイド:「流し」で中穴軸+本命2点の保険をかける
ワイドは3着以内に入る2頭の番号(順不同)を当てる券種のことで、選んだ2頭がともに3着以内に入れば的中となる保険要素の強い馬券です。この特性を活かして、中穴を軸とする少しひねった「流し」がおすすめの買い方です。
具体的には、7番人気〜10番人気あたりの「勝ち切れないが掲示板にはよく載る善戦マン」の馬を軸に選びます。そして、相手には1番人気や2番人気といった、3着以内に入る確率の高い本命馬を2頭選びます。
この「穴馬×本命馬」の組み合わせは、軸馬が好走すれば5倍から10倍といった中配当が期待でき、かつ相手が本命馬なので的中率も担保しやすいという、バランスを考慮した買い方になります。
参考:JRA-VAN
3連複:「流し」で1番人気馬+中穴4頭の6点で勝負
3連複は1着から3着までの馬を順不同で当てる馬券で、万馬券も狙える魅力的な券種です。初心者は買い目をいかに絞るかが鍵であるため「流し」がおすすめ。
信頼できる馬を1頭軸に選び、そこから相手となる馬を複数選びます。おすすめは、3着以内に入る確率が高い1番人気を軸に据え、相手には配当妙味のある中穴クラスの馬を4頭選びます。この場合の買い目は6点となり、少ない投資で万馬券も目指せるコストパフォーマンスに優れた買い方です。
参考:JRA-VAN
3連単:「フォーメーション」で少頭数レースを6点で勝負
3連単は1〜3着馬3頭の着順まですべて当てる馬券で、全券種の中で最も当てるのが難しく、その分配当も桁違いに高い「夢馬券」です。初心者が手を出すにはリスクが高いですが、もし挑戦するなら徹底したリスク回避が求められます。
まず狙うべきは、出走頭数が12頭以下の「少頭数レース」です。頭数が少ないほど、力関係を読みやすくなります。買い方は無駄な組み合わせを排除できる「フォーメーション」が最適です。
例えば「1着に来そうな馬を1頭、2着に来そうな馬を2頭、3着に来そうな馬を3頭」といった形で自信度に応じて頭数を絞り込みます。この組み合わせを買い目6点以内に収めることで大やけどを防ぎながら、一攫千金のチャンスを狙うことができます。
ただし、3連単を本気で狙うのであれば競馬の基礎知識の習得はもちろん、馬・騎手・コースなどの分析は必要不可欠です。総じて、上級者向きの券種となるため、本質的にリスクを避けるという点では競馬に慣れてから挑戦するのが安牌と言えます。
参考:JRA-VAN
レース前に見るべきポイントと活用方法
馬券の買い方を覚えたら、次はレースを予想するための分析方法を学びましょう。運任せではなく、根拠に基づいた予想を組み立てることが回収率向上には不可欠になります。
ここでは初心者でも比較的チェックしやすいポイントと、その活用方法を紹介します。
- コース距離と血統適性
- 馬場と天候
- ペース予測
- ラップタイム分析
- 騎手・調教師・厩舎
- オッズ(配当倍率)
コース距離と血統適性
競馬はレースによって距離やコース形態(直線の長短、坂の有無、芝・ダートなど)が異なり、馬それぞれにも得意不得意があります。特にコースや距離に対して血統的な後押しがある馬は狙い目であり、逆に明らかに合わなそうな血統の馬は人気でも疑いの余地があります。
まず注目したいのは出走馬の距離適性です。過去に同じくらいの距離で好走した実績があるのかをチェックし、逆に初めてのレース距離になる馬は注意が必要です。
そして血統(父馬・母馬の系統)からも適性を推測でき、競馬関係者も血統をもとに「この馬は短距離向きだ」「晩成型で長距離が合うかも」といった個性を読み取ることがあります。例えば、スピード血統の親を持つ馬は短距離で力を発揮しやすく、スタミナ血統の親を持つ馬は長距離戦で底力を見せるといったそれぞれの傾向があります。
さらに芝向き・ダート向きの適性も血統から判断できる場合があります。これは初心者の方でも競馬の情報サイトで、その馬の父や母父の名前を調べればある程度の傾向が掴めます。もし分からなければ「馬の名前 血統 特徴」などでネット検索すると血統特性が見つかる場合もあります。
参考:JRA-VAN
馬場と天候
競馬は天候や馬場状態でも結果が大きく左右されます。特に雨が降って芝コースが柔らかくなった(稍重・重・不良馬場)場合や、ダートコースがぬかるんだ場合はレースが大荒れとなり、一番人気の実力馬でも力を発揮できず凡走するケースも珍しくありません。
傾向としては、馬場が悪化して芝が重くなると切れ味よりも粘り強さが重要になるため、一般的にはパワー型の馬が有利と言われます。ダートの場合は泥んこ状態となり、前を行く馬がペースを落としても後続馬が加速しにくく、先行馬が有利になる場面が多いとされています。
また、こういった悪条件をむしろ得意とする「道悪巧者(みちわるこうしゃ)」と呼ばれる馬も存在し、過去のレースで重馬場・不良馬場で好走していれば、一番人気の馬でさえしのぐケースもあります。レース前に雨の予報が入っている場合は、予め雨に強い馬を探して目星をつけておくと良いでしょう。
参考:JRA-VAN
ペース予測
レースには「ハイペース」「スローペース」があり、どちらになるかで有利な馬の脚質が変わります。ゆえに、レースごとのペース展開を読むことも馬券の腕を上げるための重要ポイントです。
例えば、序盤から先頭争いが激しくハイペースになれば、先行馬たちは後半にスタミナが苦しくなり、後方待機の差し・追い込み馬が台頭しやすくなります。反対にスローペースになれば、先行馬が楽に進める分だけ直線でも余力があり、そのまま押し切ったり粘り込んだりしやすくなります。
こういった基本特性を理解した上で、出走馬のメンバー構成を見てペース展開を予測します。具体的には「逃げたい馬が何頭いるか」「先行タイプが多いか少ないか」「追い込み馬ばかりで誰も前に行きたがらないか」などを考えます。競馬新聞や専門紙には「逃」「先」「差」「追」など馬の脚質が書かれているので、それをヒントにすると良いでしょう。
参考:JRA
ラップタイム分析
馬ごとのラップタイム(区間ごとの走破タイム)の分析も有効です。
例えば、過去のレースで「前半3ハロン○秒-後半3ハロン○秒」というラップを刻んだ馬がいれば、その馬が作るペース傾向がわかります。他にも、出走馬の持ち時計(同じ距離での自己ベストタイム)を比較して大まかなペースを予想する方法もあります。
いずれにせよ、分析から「このレースは前半から速そうだ」「いや、スローで瞬発力勝負になりそうだ」といった展開を自分なりに予測し、その展開で有利になりそうな馬の組み合わせを狙うと的中率・回収率の両面で効果があります。
初心者の方は少々難しく感じるかもしれませんが、慣れてくると競馬新聞の印以上にレース展開が結果を左右することに気づくかと思います。例えば「逃げ先行が多いからこの人気馬はハイペースに巻き込まれて危ないかも」と読めれば、それ自体が馬券の腕前に関して他人と差をつける要素となります。
参考:JRA
騎手・調教師・厩舎
競馬の予想は、馬だけでなく「人(騎手・調教師・厩舎)」の要素にも着目すると精度が上がります。
まず騎手ですが、トップクラスの騎手はやはりレース運びが上手で勝率・連対率も高い傾向にあります。ただし、上位騎手が乗る馬はその分人気になりやすくオッズが低くなる側面があります。そこで視点を変え別の騎手の戦績に着目してみると、あまり有名でない騎手の中にも注目すべき人がいます。
例えば、水口優也騎手の複勝回収率は、2023年通算:173%、2024年通算:105.6%と100%を超えています。こういった騎手は騎乗馬が人気薄のことも多く、馬券に絡んだ時の配当が高いためトータルで見るとプラス収支になる場合があります。
次に調教師や厩舎にも目を向けましょう。調教師はレース選択や馬の仕上げを担う重要な存在であり、勝負気配(そのレースに勝つことを前提に仕上げてきたか)が読み取れることもあります。例えば「この調教師は遠征してまで馬を出走させる時は勝負になることが多い」といったパターンがあります。
また、有力馬2頭出しのレースでは、片方が人気薄、もう片方が人気馬という場合に人気薄の方が激走するといった厩舎の作戦のようなケースも時折見られます。
初心者には少し難しいかもしれませんが、重賞レースの前などに競馬新聞の記事や専門誌の厩舎コメントを読むとヒントが得られることがあります。「この条件ならこの騎手」といった狙い撃ち、「ローカル開催に強い厩舎」など、専門的な知識も余裕が出てきたら少しずつ勉強してみてください。
オッズ(配当倍率)
馬券を買う以上、オッズは切っても切れない要素であり、高い回収率を叩き出す人は大抵「オッズと勝算のバランス=期待値」を常に考えて馬券を買っています。
まず覚えておきたいのは、人気=信頼度ではないということです。極端な話、どんなに人気な馬でも勝つ確率は100%ではありません。繰り返しになりますが、中央競馬の1番人気馬の勝率はおよそ30%程度で、残り約70%は負ける計算です。2番人気以下になると勝率はさらに下がります。
当然、オッズの低い人気馬を馬券から外せば高配当が得られるチャンスがありますが、無闇に逆張りすれば良いというわけでもありません。重要なのは「その人気やオッズは適正か?」を考えることです。
例えば、実力がずば抜けている馬の単勝オッズが3.0倍であれば、期待値的にはおいしい。しかし「能力は拮抗しているのに妙に1頭だけ人気になっている」という場合、その馬のオッズは割に合わず危険かもしれません。逆に実力はあるが前走の凡走で人気を落としている馬などはオッズが高くなりやすく、狙い目になります。
競馬では多数派が買う人気馬券よりも、少数派しか買わない意外な組み合わせを当てた時こそ高回収率が得られます。人気とオッズは指標であって絶対ではないことを常に意識し、「期待値重視」の買い方を心掛けると良いでしょう。
レース分析に役立つサイト&ツール
昨今はインターネットやスマホアプリで競馬の情報が簡単に手に入ります。データ分析や予想作成に役立つサービスも多く、うまく活用すれば予想力向上と回収率アップにつながります。
ここでは代表的な競馬情報サイトやツールを紹介します。
- JRA-VAN
- netkeiba
- 競馬予想サイト
JRA-VAN
JRA-VANは、JRA公式の関連会社が提供する競馬情報サービスです。
過去30年分のJRA全レースの公式データにアクセスでき、出馬表・オッズ・レース結果はもちろん、血統や調教タイム、コース傾向など膨大なデータ分析が可能です。
PCソフトの「JRA-VAN NEXT」やスマホアプリを通じて利用でき、プロも唸る高機能な予想支援ツールが揃っています。月額料金はかかりますが、その価値は十分にあるでしょう。特にデータ志向の方や、自分で過去データを検証して回収率を上げたいという方には強い味方になります。
またJRA-VANには初心者向けのコラムや予想コンテンツもあり、競馬の勉強にも役立ちます。まずは公式サイトで提供している一部無料データやキャンペーンなどを利用してみるのも良いでしょう。
netkeiba
netkeibaは日本最大級の競馬総合情報サイトです。
JRAおよび地方競馬の出馬表やオッズ、結果速報、ニュース、コラム、競走馬データベースなどが網羅されており、登録馬は50万頭以上にも及びます。
基本的な情報は無料で閲覧でき、予想家による印やAI予想、掲示板でのファンのコメントなどコンテンツも豊富です。レース当日のオッズ動向やプロの見解を手軽にチェックでき、各コラムでは競馬記者や専門家がレースの見どころや予想のポイントを解説していることも多いので参考になります。
なお、有料の「プレミアム会員」になると過去レース映像やデータ検索機能なども使えますが、初心者のうちは無料範囲で十分かと思います。
競馬予想サイト
近年は膨大なレースデータを機械学習で解析し、オッズの歪みや展開の傾向を数字で“見える化”してくれるサービスが増えています。特に最新のAI競馬予想サイトでは、過去レースのラップ・位置取り・血統傾向など数百項目を自動で評価し、ユーザーはそのまま指数をなぞるだけでなく「なぜその馬が浮上したのか」まで確認できる設計が特徴です。
例えば「えーあいNEO」では、週末の重賞になるとレース開始数時間前まで指数を再計算し続ける仕組みがあり、直前の馬場悪化や出走取消にも柔軟に対応しています。実際に使ってみると「中穴に◎が付いている理由」がロジカルに説明されている等、“消し”と“押さえ”の線引きに迷わなくなるはずです。
こと競馬初心者にとって競馬新聞は読み解くのが難しく、情報サイトは情報が膨大すぎて何を見ればいいか分からないといった実情があるかと思います。そんな初心者にも予想を手助けしてくれる補助ツールとして、上手く機能してくれる可能性があります。
まとめ:競馬に必ず儲かる買い方はない
ここまで回収率向上の考え方や具体的な馬券の買い方を解説してきましたが、最後に最も重要なことをお伝えします。それは「競馬では絶対に儲かる必勝法は存在しない」ということです。どんなに優れた理論やデータがあっても、競馬には常に不確実性が付きまとうため100%確実な必勝法はありません。
しかし、それは個々の努力が意味をなさないということではありません。大切なのは一発逆転の裏技を探そうとするのではなく、本記事で紹介したような地道な努力で予想の腕を磨くことにあります。
今回紹介したような回収率を意識した買い方を実践すれば、闇雲に賭けるよりも確実に競馬は上手くなります。すぐに結果が出なくても、続けていけば自分なりのコツや買い方が見えてきて、少しずつ回収率も改善していくはずです。そのプロセスこそが競馬の醍醐味とも言えます。


