競馬はたったひとつのレースで100万円を超える配当を手にする可能性があります。
一瞬で大金をつかめるという意味では、パチンコやスロット以上に高額配当に期待できる競技なのです。
しかしながら、あまりにも高額な払戻を手にすると、税金が発生してしまいます。
しかも、PAT(インターネット投票)で手にした配当にも税金がかかる場合があるのです。
当記事では、監修者である元競馬新聞記者の鶴谷義雄の知見も交えつつ、競馬の税金に関する情報をまとめました。
払戻に対する税金の仕組みが気になる方は最後までご覧ください。
目次
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1969年にデイリースポーツへ入社し、長年にわたる現地取材で培った確かな相馬眼と深い人脈を持つ。
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競馬でPATを使うと税金がばれる理由とは?
自宅や移動中など、インターネット環境があれば手軽に馬券を購入できるPAT。競馬場に行く手間を省けるメリットがある一方、実は税金がばれやすいデメリットもあるのです。
履歴が残るため
PATを使うと、その履歴がすべて残ります。銀行の取引履歴が通帳に残るようなイメージですね。いつ・いくら入金し・いくら分の馬券を購入し・いくら払戻を得たなど、やり取りのデータはすべて記録されます。
もちろん、履歴を削除したり編集したりできません。そのため、高配当を得たのに確定申告をしないと、単純無申告の罪に問われる恐れがあります。
SNSやYouTubeで発信しているとなおさらばれやすい
高額配当の3連単やWIN5を的中させると、あまりの興奮から周囲への自慢が止まらなくなるかもしれません。SNSやYouTubeを見てると、そのような喜びの声を見かける時もありますよね。
しかし、このような発信はかえって目をつけられます。また1,000万円を超える払戻は、JRAから国税局へ情報が通達されます。
(国税通則法 第74条の12第1項に基づく情報提供)
だからといって、「1,000万円未満なら大丈夫」と油断するのは禁物。一定の収益が出たら確定申告が必要になるので、下記にて詳しく解説していきます。
競馬において確定申告が必要になるケース

競馬で手にした払戻金額には税金が発生する場合があり、その場合は確定申告しないといけません。
しかし、確定申告が必要かどうかは、年間の払戻総金額で変わります。
また、払戻を得た人が給与所得者かどうかで条件も変わりますので、詳細を詳しく見ていきましょう。
給与所得者は「年間90万円以上の利益」が出たら
給与所得者の場合、年間90万円以上の利益が出たら確定申告する義務が発生します。
本記事で言う給与所得者とは、サラリーマンなど、勤め先に年末調整をしてもらっている人を指します。
会社に年末調整してもらっている人は、給与以外の所得(副業などの収入)が20万円以下の場合、確定申告が不要です。
なぜなら、90万円未満の場合、特別控除額を差し引いたうえで半分に割った金額が20万を下回るからです。
それ以外の方は「50万円以上の利益」が出たら
給与所得者以外の方は自身で確定申告を行わなければなりません。
副業収入20万円以下の控除がないため、50万円以上の利益を得たら一時所得として確定申告しましょう。
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知っておきたい競馬における所得の種類

馬券が的中すると払戻を手にします。券種や着順によって払戻は変動しますが、実はこの払戻にも種類があります。
ここでは払戻の種類や確定申告の必要性について詳しく見ていきます。
競馬で得た利益は「一時所得」もしくは「雑所得」に分類
税金にはさまざまな種類が存在していますが、競馬における配当利益は「一時所得」か「雑所得」のどちらかに区分されます。
判断基準は、馬券目的が営利目的かどうかで決まります。
本章では一時所得と雑所得について紹介したうえで、それぞれの申告の違いについてまとめました。
一時所得とは臨時収入のこと
一時所得とは、営利目的の継続的な行為以外から得られる所得を指します。
具体的には、懸賞金や競馬・競輪・競艇といった公営競技の払戻など、臨時収入を指すことが多いです。
一時的に発生した所得も課税対象になりますが、一時所得には50万円の「特別控除額」が設定されています。
一言でいうと、年間の利益が50万円以下の場合は一時所得税は発生しません。
雑所得とは公的年金や副業に係る所得のこと
雑所得は公的年金や副業の所得などに係る所得を指します。
雑所得は対象範囲が幅広く、なおかつ定義があいまいなので分かりづらいですが、競馬の払戻が雑所得に区分される場合があります。
雑所得に分けられる条件は競馬で長期的に投資を行い、なおかつ利益を上げている場合です。
ほとんどの人は本業の傍らで馬券を購入しているはずなので、雑所得に区分されることはないといってよいでしょう。
ハズレ馬券を経費にするには「雑所得」でなければいけない
競馬の払戻を一時所得で納税する際、ハズレ馬券は経費にできません。
ところが、雑所得の場合は経費にすることが可能です。
ハズレ馬券を経費にできるかどうかで納税額が大きく変わります。
例えば、一年間で100万円の払戻を手にしたものの、馬券購入費がハズレ馬券も含めて110万円だったとします。
トータルでマイナスなので申告義務はなさそうに見えますが、50万円以上の払戻を手にしてるので申告しなければいけません。
この際、雑所得なら110万円の馬券購入費を丸々経費として計上できるため、納税額は0円となります。
ところが、一時所得はハズレ馬券が経費になりません。
もしも、100万円の払戻を3連単100円で手にしていた場合、経費にできるのは100円だけなのです。
この場合、払戻から当たり馬券の経費と特別控除額を差し引き、さらにその半分が課税所得となります。
トータルで負けているにも関わらず税金が発生してしまうので全く納得できませんが、現状これがルールとなっています。
ハズレ馬券を経費にできるかどうかで納税額も大きく変わるため、条件が揃っているなら雑所得として計上した方がいいです。
競馬の払戻にかかる税金はいくら?
競馬の払戻の計算式を求める際は、下記の手順で行います。
- 課税される一時所得を求める
- 全所得から計算式を使って所得税を求める
一時所得を求める計算式は下記の通りです。
| {年間の競馬の払戻金額-経費(当たり馬券の購入費)-特別控除額(50万円)}×1/2=一時所得 |
特別控除額が50万円に設定されているため、年間の払戻が50万円以下の人は申告義務はありません。
ただし、50万円を超えた場合は納税義務が発生します。
例を挙げると、年収300万円の人が年間80万円の払戻を得たとします。
払戻を得るために使った馬券代が1万円だった場合の一時所得は下記の通りとなります。
| (80万円-1万円-50万円)×1/2=14万5,000円 |
一時所得を求めたら、給与所得等を含めた全所得から下記の計算式を使って所得税を求めます。
| {(全所得の合計-各控除)×税率-速算表の控除額}×1.021%(復興特別所得税)=所得税 |
速算表とは、国税庁の公式サイトで計算されている速算表のことで、一目で税率や控除額をチェックできます。

(出典:No.2260 所得税の税率|国税庁)
ここから、年収や払戻金、速算表のデータを見つつ、数字を計算式に当てはめると下記の通りとなります。
| {(380万円)×20(%)-427,500}×1.021%=6万9,825円 |
競馬ファンにとって所得税法が厄介な理由3つ
競馬の払戻には「所得税法」が大きく関わってきます。法文を見ると難しい単語が並んでいますが、わかりやすく噛み砕くと競馬ファンにとって厄介な点が3つあります。
- トリガミでも課税対象になる
- 年間収支は無関係
- ハズレ馬券は基本的に経費にならない
それぞれ詳しく解説していきます。
トリガミでも課税対象になる
極端な例ですが、5万円の馬券を40枚(合計200万円分)購入したうち、100万円の払戻を手にしたとします。結果的には100万円の赤字(トリガミ)ですから、「年間90万円以上の履歴」には該当しないと思いますよね。
しかし、払戻は100万円。これは所得税法の観点から、100万円の利益を得たとみなされるのです。
つまり、100万円分のトリガミ+100万円の利益にかかる所得税がのしかかるということ。競馬ファンからすると、どうも納得いきませんよね。
年間収支は無関係
年間収支も同じ考え方です。例えば1月〜11月までの収支がマイナス100万円、有馬記念で100万円的中(馬券代5万円)したとしましょう。
年間収支でみると、有馬記念で使った馬券代の5万円がマイナス分。しかし100万円的中しているので、所得税法の対象となってしまいます。
ハズレ馬券は基本的に経費にならない
所得税を抑える方法のひとつに、経費を増やすことがあげられます。ただ、馬券代を経費にするのは難しいです。
というのも、競馬の収支で生計を立てる必要があるから。つまり、競馬を投資事業として成立できているかということです。
競馬の収益が雑所得として認められれば、馬券代が経費になりますが…そもそも趣味の一環で楽しんでいるファンが大半なので、原則として「一時所得」の扱いになると思いましょう。
そもそも競馬の税金をみんな払ってるのか?

競馬の税金は50万、もしくは90万円以上の利益を得た場合は申告義務が発生します。
しかしながら、納税義務のある人全員が本当に申告しているのか、気になるところです。
そこで、ここからは馬券を購入してる全ての人が本当に申告しているのか、疑問にお答えしていきます。
利益が出ていない人は税金も払っていない
納税義務が発生する条件は50万もしくは90万円以上の利益を得た人です。
馬券で50万円未満の利益しか得ていない人は、特別控除額の関係で一時所得は0円になります。
納税額が0円の人は申告義務が発生しないため、税金も払っていません。
なお、全国の馬券購入者の内、馬券で黒字収支を得ている人はわずか1~2%しかいないといわれています。
98%近い人が馬券で負けていることから、98%の人は納税義務がないといっても過言ではないのです。
口座に預けたお金は国税庁に把握されている
実は、国税庁は他人の口座を見ることができます。
また、大きなお金が入出金された場合は銀行側が所有者の年収等照らし合わせたうえで疑問を抱く場合があります。
さらにいうと、JRAの場合は1,000万円以上の払戻が発生した場合、自動的に国税庁に情報提供するようになりました。
このため、WIN5で1,000万円以上の払戻が発生した場合は間違いなく国税庁に情報が流れていると思ってもらって良いでしょう。
申告を怠った場合は間違いなく国税庁がやってきます。
逃れる術はないので潔く納税申告を行いましょう。
税金で自己破産に追い込まれた人もいる
競馬の利益で生じた税金のため、自己破産に追い込まれたのがお笑いコンビ「インスタントジョンソン」のじゃいさんです。
芸人屈指のギャンブラーとしても有名で、WIN5やトリプル馬単を何度も当て、馬券だけで2億以上稼いでいました。
毎年納税も行っていたのですが、ある日国税庁が家にやってきました。
そして、マンションが買えるほどの追徴課税を命じられたようです。
じゃいさんは競馬予想をYouTubeやネット上で公開しており、その情報も収入の一貫となっています。
そこで、知人が馬券購入費は雑所得になると勧めたため、雑所得で申告していました。
雑所得で申告したらハズレ馬券を経費にできるので納税額が減ります。
ところが、結果的にはハズレ馬券が経費にならない一時所得扱いとなったため、延滞料込みで超高額の課税を支払うことになりました。
あまりの高額支払いのため、じゃいさんは競馬の利益以上の課税を支払うこととなり、破産してしまったのです。
じゃいさんレベルの馬券投資ができる人はほとんどいません。
しかしながら、馬券で利益を得たとしても税金のルールを把握していないと、後に恐ろしい目に合う可能性があります。
税金についてはしっかりと勉強しておきたいです。
競馬の税金に関してよくある質問
競馬の税金に関してよくある質問と、それぞれの回答をまとめました。
Q.いくら当たったら国税局にばれる?
まず1,000万円以上の払戻を得た場合、JRAから国税局に情報が提供されます。これはJRAの公式ページにも記載されています。
また、給与所得者は年間90万円以上、それ以外の人は50万円以上の収益が出たら確定申告の義務が発生。無申告の状態が続くと、PATの履歴や銀行口座の取引履歴からばれる可能性もあるので、必ず確定申告をしましょう。
Q.100万円、1,000万円当たったら税金はいくら?
一時所得の場合、下記の式で税金が計算されます。
総収入ー必要経費ー特別控除額(最高50万円)
また、年収に応じて税率が変わるので、税金を計算する際はシミュレーションツールを使うとよいでしょう。
なお、仮に100万円的中した場合は約15万円、1,000万円的中した場合は約150万円が課税対象となります。
Q.利益が90万円以下なら確定申告は不要?
給与所得者の場合、年間収支が90万円以下であれば、確定申告は不要です。ただし、100万円を超える高額配当を得た場合は、確定申告の義務が生じる可能性もあるので注意してください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では、競馬における税金の仕組みや、確定申告が必要になるケースについて詳しく解説しました。
競馬は一獲千金の可能性を秘めていますが、大金を得ると同時に発生する税金についても認識しておく必要があります。特にPAT投票は過去の購入履歴が完全に残るため、ごまかしは利きません。
もしも馬券で大きな利益を得た場合は、無申告による多額の追徴課税を防ぐためにも、必ず確定申告を行うようにしましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
記事内でも触れられている芸人じゃい氏の件で浮き彫りになったように、今はPATの購入履歴や銀行口座の大きなお金の動きは、税務署に完全に把握されていると考えたほうがいい。「バレないだろう」という甘い考えで無申告を貫くと、後で取り返しのつかないペナルティを食らうことになる。
万馬券やWIN5などで帯封(100万円以上の束)を手にした時は、有頂天にならず、まずは冷静に税金の計算と確定申告の準備をしてほしい。それが、長く楽しく競馬と付き合っていくための大人のマナーだ。