競馬への熱量が高くなってくると、地方競馬にも興味を持ち始めるでしょう。しかし、さまざまな情報を調べる中で「地方競馬には手を出すな」という文言を見かけることも。
本記事では、元競馬新聞記者として地方・中央の両現場で数多くの「勝負の裏側」を見てきた本サイト監修者・鶴谷義雄の知見をもとに、地方競馬に手を出すなと言われる理由を5つピックアップし、それぞれ詳しく解説します。
「中央の感覚で地方を打つと、なぜ失敗するのか?」というプロの視点も交えています。正しい知識と情報を集めれば、地方競馬でも堅実に勝負できます。そのためのコツもまとめているので、ぜひ参考にしてください。
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「地方競馬に手を出すな」と言われる5つの理由
「地方競馬に手を出すな」と言われる理由は次の5つです。
- 中央競馬に比べ払戻が低い
- オッズが急変動しやすい
- 情報源が少ない
- 開催レースが多く投資額がかさみやすい
- 八百長問題が付きまとう
それぞれ詳しく解説していきます。
中央競馬に比べ払戻が低い
地方競馬と中央競馬は払戻額に差があります。例えば中央競馬は1番人気の勝率が約30%なのですが、地方競馬は40〜50%ほどと高い数字になっています。
前向きに捉えれば「1番人気を軸に堅く稼げる」と言えますが、裏を返せば「穴馬が好走しにくく美味しい払戻を手にできない」ということ。
とはいえ、これに関しては好みもあるでしょう。ローリスク・ローリターンで勝負したい人は地方競馬、多少リスクを負ってでもリターンを得たい人は中央競馬が向いています。
「絶対、地方競馬に手を出してはいけない」のではなく、特性を踏まえたうえで堅実に勝負することが大切ですね。
オッズが急変動しやすい
あまり知られていないかもしれませんが、地方競馬はレース直前にオッズが急変動することがあります。これは、中央競馬と地方競馬の売上が関係しています。
中央競馬の年間売上が約3兆円に対し、地方競馬の年間売上は約1.8兆円。当然、1レースあたりの売上にも大きな差があります。日本ダービーや宝塚記念、ジャパンカップ、有馬記念など大きなレースで10万円以上を賭ける人も少なくないでしょう。
しかし地方競馬において、10万円単位のお金が動くとオッズが激しく変動します。1レースでの売上が低いため、このような現象が起こるのです。
情報源が少ない
「地方競馬で有名な競走馬と騎手をあげてください」と言われて、パッと思い浮かびますか?地方競馬に通い詰めている方であれば、スラスラ出てくるかもしれません。
地方競馬はメディアで特集される機会が極めて少ないため、なかなか情報を得ることができません。一方、中央競馬は毎週テレビ番組が放送されますし、SNSやYouTubeでもさまざまな情報が発信されています。
レースを予想するにあたって、このような情報は欠かせません。つまり、地方競馬は情報が不足しやすいため「手を出すべきではない」と言われています。
開催レースが多く投資額がかさみやすい
中央競馬は原則、土日のみの開催です。これに対し地方競馬は、ほぼ毎日どこかしらの会場でレースが開催されています。
「毎日のように競馬を楽しめる」という環境ですが、あまり夢中になりすぎると物理的に投資額がかさんでしまいます。
回収率が100%を超えれば問題ないものの、ただでさえ情報源が少ない地方競馬で黒字収支するのは至難の業です。ギャンブル依存に陥るリスクもゼロではないので、資金だけでなく自己管理も徹底しなければいけません。
八百長問題が付きまとう
公営ギャンブルにおいて八百長は禁止されている行為です。しかし、地方競馬では常に八百長が付きまとっています。
例えば2020年、笠松競馬で発生した八百長事件。騎手3名、調教師1名が八百長に関わっていたこと、さらに3億円を超える所得を隠していたことが発覚しました。関係者は競馬法に違反していたため書類送検に。
また、2022年に園田競馬でも八百長疑惑がありました。あくまでも疑惑ですが、関係者から八百長を持ちかけられた木本騎手がそれを断り、最終的には自ら命を絶ったという事件です。
数は多くないものの、少なからず八百長があることから、地方競馬に嫌悪感を抱いている方もいるのでしょう。
初心者にありがち!地方競馬に手を出して失敗する事例3選
地方競馬に手を出して失敗する代表的な事例を3つ紹介します。
- 高額払戻を狙って穴馬を軸にする
- 3連単やトリプル馬単などで勝負する
- データ収集・分析せずに予想する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
高額払戻を狙って穴馬を軸にする
中央・地方のどちらでも、やはり万馬券を狙いたくなるもの。高額払戻を得るとなると穴馬を狙うことになりますが、これはデータありきです。
1番人気が強い地方競馬において、穴馬を狙うのはリスクが高いです。堅い決着が予想されるレースであれば、なおさらです。
また、荒れるレースを的中させた時の喜びと興奮は凄まじいですが、そもそも当てることが難しいため資金的な負担も大きくなります。
競馬で大切なのは、勝率の高いレースを選んで堅実に稼いでいくことです。闇雲に穴馬を狙うのではなく、根拠を持ったうえで選ぶようにしましょう。
3連単やトリプル馬単などで勝負する
地方競馬で高額払戻を手にするなら、3連単やトリプル馬単などの券種が候補としてあがります。特にトリプル馬単は数百万単位の払戻も狙えるので、一攫千金にはもってこいです。
しかし、的中率は極めて低いです。3連単の的中率は0.02%ほど、トリプル馬単の的中率は0.0000072%ほど。まさに天文学的な確率ですよね。
「絶対に勝ってはいけない」とは言えませんが、もし3連単やトリプル馬単で勝負するなら徹底的にデータを分析し、候補となる馬と組み合わせを判断しましょう。
データ収集・分析せずに予想する
これは中央・地方のどちらにも言えることですね。レースを予想するにあたって、データ収集と分析は必要不可欠。
とくに地方競馬は情報源が少ないため、「情報を集めた人が勝てる」といっても過言ではありません。最近では地方競馬の全レースを無料で公開している競馬予想サイトも登場しているので、このようなサービスを活用するのもおすすめです。
ちなみに、競馬予想サイトの口コミ・評価をこちらの記事でまとめています。
「手を出すな」と言われる地方競馬でも実は魅力がたくさん?
マイナスのイメージを持ってしまうかもしれませんが、地方競馬でしか楽しめない魅力もたくさんあります。
代表的な魅力をピックアップしたので、それぞれ詳しく見ていきましょう。
中央競馬に比べ会場が多い
中央競馬が全国10箇所なのに対し、地方競馬は全国17箇所あります。また、独自のレースを開催している競馬場も存在します。
例えば、帯広競馬場(北海道)のばんえい競馬。通常、騎手は競走馬に乗ってレースに臨みます。しかしばんえい競馬は、競走馬が1トンを超えるソリをひき、それに騎手が乗る形なのです。
北海道ならではのグルメも満喫できるので、競馬好きなら1回は観戦してみたいレースですね。
ナイター開催なので仕事終わりでも楽しめる
地方競馬場によってはナイター開催のレースもあります。主な例が次のとおり。
- ばんえい十勝ナイトレース(帯広)
- グランシャリオナイター(門別)
- トゥインクルレース(大井)
- スパーキングナイター(川崎)
- そのだ金曜ナイター(園田)
- 夜さ恋ナイター(高知)
昼間とは違った雰囲気とレースを楽しめるのも、地方競馬の魅力。ただし、ナイター環境に不慣れな競走馬もいるので、予想する際は注意しなければいけません。
交流競争が開催される
交流競走とは、中央競馬の競走馬・騎手を招待して開催するレースのこと。JRAの公式サイトに一覧でまとめられていますが、代表的レースが次のとおりです。
- 全日本2歳優駿(川崎)
- 羽田盃(大井)
- ジャパンダートクラシック(大井)
- 川崎記念(川崎)
- かしわ記念(船橋)
- さきたま杯(浦和)
- 帝王賞(大井)
中央競馬の実力馬VS地方競馬の実力馬という形式は、競馬ファンなら誰しもワクワクするでしょう。
まとめ
地方競馬は、毎日開催されているからこそ「負けを取り返そう」という心理に陥りやすく、資金管理が崩れやすいという罠があります。しかし、中央競馬よりも能力差がはっきりしており、特定の条件(コース適性や厩舎の思惑)さえ掴めれば、これほど堅実に勝てる戦場もありません。
「手を出すな」と言われる理由を正しく理解し、中央競馬とは別物として戦略を立てることが、地方攻略の第一歩です。
元競馬新聞記者 鶴谷義雄のアドバイス
地方で勝つコツは、深追いせず「勝負するレース」を極限まで絞ること。そして、現地の最新情報をどれだけ持っているか。もし自力での情報収集に限界を感じるなら、我々のようなプロの見解や、地方に強い予想サイトを活用して、情報格差を埋めるのが賢明な判断ですよ。