馬連や馬単、ワイドなどさまざまな券種がある中で、実は「複勝が一番」と言われているのをご存知ですか?
ここでは、複勝オッズの見方や幅が生じる理由、稼ぐためのコツなどを紹介します。複勝で堅実に勝ちたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
複勝オッズの見方とは?
選んだ馬が3着以内に入れば的中となる「複勝」。券種の中でも的中率が高く、ローリスク・ローリターンで勝負できます。
オッズの見方は簡単で、出馬表の「複勝」という項目を見ればOK。ただし、複勝のオッズは注意点があります。
それは、幅があること。例えば2024年の宝塚記念を見てみると、次のような複勝オッズの馬がいます。
- 6:ヒートオンビート(複勝22.3〜39.2)
- 8:カラテ(複勝19.7〜34.7)
- 11:ヤマニンサンバ(複勝20.4〜35.9)
なぜ幅があるのかというと、1〜3着の組み合わせによって払戻金が変動するから。固い決着になった場合は左側、荒れた場合は右側に近い払戻金になります。
なお、左側のオッズを下回るケースは極めて稀。まず下回らないと思って大丈夫なので、これを基準に買う馬を判断しましょう。
複勝オッズはどのように決まる?基本的な計算方法
競馬の払戻金は下記の式で計算されています。
(W+D/P)×RW:当該勝馬に対する勝馬投票券の総券面金額 D:出走した馬であって勝馬以外のものに対する勝馬投票券の総券面金額 P:勝馬の数 R:JRAが投票法ごとに定めた率 |
これは競馬法によって定められており、2014年から適用されています。
とはいえ、それぞれ数字を当てはめて計算するのは骨が折れます。「こういう式があるんだ」と、覚えておく程度で問題ありません。
複勝のオッズがおかしい?幅が生じる理由
複勝のオッズは幅があります。人気によって幅は異なりますが、なぜこのような現象が起きるのでしょうか?
これには、競馬の払戻の仕組みが関係しています。払戻金は、予想が的中した人に対して分配されます。券種によって払戻率が設定されており、複勝の場合は80%です。
また、的中した人が多いと1人あたりに分配される払戻金は少なくなります。
例えば1〜3番人気がそのままの着順だったとします。購入者の数が人気に反映されているため、上位人気=購入者が多い=1人あたりの払戻金は少ないといえます。
一方、上位に穴馬が絡むと話が変わってきます1着が10番人気、2着が11番人気、3着が1番人気でゴールした場合、払戻金を受け取れる人は少なくなります。それに伴い、1人あたりが受け取れる払戻金が大きくなるという仕組みなのです。
「複雑すぎてわからない…」という場合、固い決着なら払戻金が少ない、荒れた決着なら大きくなると思っておけば問題ありません。
参照>>JRA
単勝オッズとの歪みを見つけるとおいしい配当も期待できる?
オッズには「歪み」という概念があります。歪みとは、実力に対してオッズが過剰もしくは過小になること。
明らかに実力が抜けているのにオッズが2桁台、戦績がイマイチなのに上位人気などが「歪み」に該当します。
理由は複数ありますが、その中の1つがメディアの力でしょう。大手の競馬番組や新聞で有力馬が特集されていると、どうしても気になってしまいませんか?
「メディアが大々的に取り上げるんだから、好走する確率が高いだろう」と思って過剰人気になるケースもあります。
しかし、裏を返せばこれはチャンス。
過剰人気を見抜ければ、穴馬の複勝でもおいしい配当を得られる可能性があるからです。自力で見抜くことが難しい場合は、競馬予想サイトが配信している情報を活用するのも方法です。
競馬は複勝が一番おいしいと言われる理由
数ある券種の中でも「複勝が一番おいしい」というユーザーも多数います。その理由は主に3つあげられます。
- 的中率が高い
- 少点数で勝負できる
- 資金的な負担が少ない
それぞれ詳しく解説していくので、参考にしてみてください。
的中率が高い
複勝の魅力は的中率の高さ。予想した馬が3着以内に入れば的中なので、他の券種に比べて当てやすいです。ちなみに、1番人気の複勝率は約60%と言われています。
もちろん実力によって複勝率は変動しますが、それでも半数以上のレースで3着以内に入る計算になります。とはいえ1番人気は複勝の払戻金が低い傾向なので、その点には注意しましょう。
少点数で勝負できる
複勝は1点でも勝負できます。むしろ、1点勝負が基本とも言えます。
もちろん複数選んでもいいのですが、そうすると的中してもトリガミになる可能性が高くなります。
競馬で勝つために大切なのは、的中率よりも回収率。収支がプラスになるような買い方を市域しましょう。
資金的な負担が少ない
1点勝負ができるということは、資金的な負担も抑えられます。3連単のように何十点も組み合わせる必要がないので、気軽に勝負できます。
だからといって1点10万円など大金をつぎ込むのは危険。予算を管理しつつ、範囲内で勝負するようにしましょう。
複勝で勝負するデメリット
複勝で勝負するデメリットは3つあります。
- 一攫千金が狙いにくい
- 着順に応じて払戻が変動する
- 短期間の勝負には不向き
それぞれ詳しく解説していきます。
一攫千金が狙いにくい
JRAの発表によると、複勝の平均払戻は335円(2022年度)とのこと。オッズにして3〜4倍の間です。
高額払戻が狙える馬単や3連単と比べ当てやすい分、どうしても一攫千金は狙いにくいです。そのため複勝はローリスク・ローリターンで勝負し、チリツモ形式で稼いでいきたい方に向いているといえます。
着順に応じて払戻が変動する
1〜3着の人気(オッズ)に応じて、複勝の払戻も変動します。予想以上の払戻になればラッキーなのですが、上位人気同士の固い決着になった場合は「こんなものか…」とガッカリすることも。
本命馬を選べず2〜3頭の複勝を買う場合、トリガミになる可能性も出てくるので注意しましょう。
短期間の勝負には不向き
「週末の重賞しか勝負できない」など条件が限られると、複勝のみで回収率を上げることは難しいです。また、実力馬が3着以内に入らず外れてしまうこともあるでしょう。
払戻も少ない傾向なので、1レースで何万円も稼ぐことは難しいです。そのため複勝は、1レースや1日など短期で稼ぐには不向きな券種といえます。
複勝で稼ぐ3つのコツ
複勝で地道に稼ぐためには、下記3つのコツを抑えておきましょう。
- 基本的には1点で勝負する
- オッズ2倍以上の馬を狙う
- 長期的な視野を持つ
それぞれ解説していきます。
基本的には1点で勝負する
複勝の平均払戻は約300円(3倍)なので、回収率を考えると1点勝負が基本になります。穴馬を狙うのであれば2〜3頭ほど選んでも問題ありませんが、外れたときの負担が増えてしまいます。
勝負する際は点数を抑え、回収率を高めるためにも、「複勝は1点で」ということを覚えておきましょう。
オッズ2倍以上の馬を狙う
的中率重視なら上位の実力馬を軸にするのが鉄則です。しかし複勝の場合、着順によっては払戻が100円(1.0倍)、つまり1円の得にもならないケースがあります。
それを考慮すると、複勝オッズ2倍以上の馬を狙う必要があるといえます。過去のデータやコース特性なども考慮し、妙味のある馬を見つけましょう。
長期的な視野を持つ
競馬は投資と同じように長期的な視野を持って勝負しなければいけません。1レース・1日あたりで見たとき赤字でも、将来的にプラスに転じればいいのです。
いくら的中率が高い複勝とはいえ、展開次第では人気馬でも着外になります。あまり一喜一憂しすぎず、地道に勝ちを重ねていきましょう。
まとめ
高額払戻で一攫千金を狙うには不向きの複勝ですが、的中率が高く1点勝負しやすいので、堅実に稼ぎたい方にはおすすめ。
本命馬を1頭に絞るのは分析の手間と労力がかかるので、競馬予想サイトなどを活用するといいでしょう。