競馬にはさまざまな券種がありますが、なかでも「ワイドがおいしい」という噂をご存知ですか?
ここでは、ワイドがおいしいと言われる理由や的中率、平均配当を調査した結果を紹介します。ワイドで堅実に稼ぎたいという方は、ぜひ参考にしてください。
ワイドとはどのような券種?
ワイドとは3着までに入る2頭を予想し、的中させる券種です。出走馬が4頭以上の場合に発売され、正式名称は「拡大馬番号二連勝複式勝馬投票法」といいます。
例えば18頭立てのレースで、5・10・15のワイドをボックスで購入したとします。5-10-15で決着すると、下記3つの組み合わせで的中となります。
- 5-10
- 5-15
- 10-15
ただしワイドはオッズに開きがある点に注意が必要。「ワイド 5-10 5.3〜6.0」のように表示されるので、組み合わせを決める際はトリガミにならないよう、下弦をベースにすることをおすすめします。
ワイドを活用する場面
ワイドは券種の中でも当てやすい反面、払戻が低くなる傾向です。特に上位人気で決着した場合は払戻が低くトリガミになるリスクもあります。
そのためワイドは中穴〜穴馬を組み合わせるのが基本。例えば2024年のダービーは9番人気のダノンデサイルが1着、7番人気のシンエンペラーが3着に入り、1番人気のジャスティンミラノは2着という結果でした。
ダノンデサイルは京成杯の勝馬ですが、皐月賞で除外となったため人気が出ず。シンエンペラーも京都2歳Sを勝っており、その後のホープフルSとディープ記念で2着、皐月賞で5着とまずまずの戦績を残していました。
過去の戦績を分析し「これはあまりに過小評価なのでは?」という穴馬を絡めることで、おいしい払戻も期待できます。
ちなみに2024年のダービーで、ワイドの払戻は以下のようになりました。
- 5-15:1,380円
- 5-13:8,000円
- 13-15:660円
組み合わせ次第で数千円にもなるわけですから、ワイドがいかにおいしい券種かお分かりいただけるかと思います。
馬連との違い
馬連は2着までの組み合わせを的中させる券種です。1・2着の順序に関係ありませんが、ワイドに比べると的中の難易度は高め。
とはいえその分、払戻もワイドより高いです。使い分けに迷うかもしれませんが、本命馬の実力が抜けており連対確率が高そうなレースでは「馬連」で勝負。
反対に上位の実力が拮抗しており、穴馬が3着以内に入りそうなレースでは「ワイド」で勝負するのがいいでしょう。
ワイドの的中率や平均配当はどれくらい?
組み合わせ次第ではおいしい払戻も期待できるワイドですが、的中率や平均配当はどのくらいなのでしょう?データを調査したので、詳しく見ていきます。
的中率は約2%
出走数によって確率は前後しますが、ワイドの的中率は約2%ほど。券種ごとの的中率をまとめた表がこちらです。
券種 | 的中率 |
単勝 | 5〜6% |
複勝 | 15〜16% |
馬単 | 0.2%〜0.3% |
馬連 | 0.5%〜0.7% |
ワイド | 1.5%〜2% |
枠連 | 2.5〜3% |
3連複 | 0.1%〜0.15% |
3連単 | 0.01%〜0.03% |
馬連と比べると的中率は3〜4倍ほどですが、払戻を考慮しないとトリガミになる可能性もあるので注意しなければいけません。
平均配当は約600円
ワイドの平均配当は約600円です。サイトによっては「実はワイドでも平均配当は2,000円ほどなので、想像以上においしいです」と記載されているかもしれません。
しかし、ワイドでも極まれに万馬券が出るため、これにより平均配当が引き上げられているというカラクリがあります。なので、ワイドを購入する際は「平均配当600円」という事実を忘れないようにしましょう。
極稀に万馬券になることも
確率はほぼ0%に近いですが、ワイドでも万馬券が出るレースもあります。たとえば2022年12月25日、中山競馬場で開催された3歳上1勝クラス。
大荒れの決着となり、勝馬のトロワシャルムは12番人気。そして3着には単勝オッズ512倍のヴォーグマチネが入り、ワイドの払戻は歴代最高の16万620円を記録。
さらに過去をさかのぼると、2017年12月3日の中京競馬場7Rで、ワイド12万9000円という高額万馬券も出ています。
とはいえ、このような大穴同士で決着するのは稀なので、買い目としては現実的ではありません。ワイドのおいしさを活かし稼ぐなら、上位人気と穴馬をうまく絡めるようにしましょう。
実はワイドがおいしいと言われる理由
ワイドが「おいしい」と言われる理由は、主に3つあります。
- ローリスクで勝負できる
- 点数を抑えやすい
- レースによっては穴馬を絡めやすい
それぞれ詳しく解説していきます。
ローリスクで勝負できる
ワイドと似たような券種として、馬連や馬単があります。2頭の組み合わせを予想する券種ですが、もっとも的中しやすいのがワイドです。払戻は低めの傾向ですが、決着次第では馬連や馬単より払戻が高くなることも。
たとえば2023年のジャパンカップ。上位2頭は1・2番人気、3着に7番人気という堅めの決着となりました。
しかし、こちらの払戻をご覧ください。
馬連や馬単よりも、ワイド1-17の方が高い払戻になっています。当てやすく、ときには「おいしい」配当をローリスクで狙えるのがワイドの魅力といえるでしょう。
点数を抑えやすい
馬連とも共通しますが、ワイドは買い目の点数を抑えやすいです。そもそも「平均配当が600円ほど」なので、プラス収支を狙うなら5点以内に抑えることが鉄則です。
つまり、半ば強制的に点数を抑えざるを得ないとも言えます。
「点数を絞ると外れやすいのでは?」と思うかもしれませんが、競馬において大切なのは的中率よりも回収率です。いくら的中率が100%でも毎回トリガミになっては稼げませんよね?
そのため、過去の戦績やコースの傾向、展開予想などあらゆるデータを分析し、馬券に入れる馬を選定することがキモになります。
レースによっては穴馬を絡めやすい
ワイドは穴馬を絡めてこそ、うまみが増します。1・2・3番人気同士を組み合わせても、払戻に期待できないからです。
とはいえ、穴馬が絡みそうなレースとそうでないレースがあります。闇雲に穴馬を絡めても的中するわけではないので、勝負レースを見極めなければいけません。
ワイドにおける勝負レースのポイントは2つ。
1つは、出頭数が少ないレース。単純に的中率が高くなるので、ワイドに限らず出頭数が少ないレースは勝負する価値ありです。
もう1つは、1頭の実力が抜けているレース。実力馬を軸にし、相手には穴馬を選ぶことで効率よく買い目を決められます。過小評価されている馬がいれば、特に狙い目ですね。
ワイドのおいしさを実感するには買い方がポイント
ただワイドを買うだけでは、おいしさが実感できません。ここでは、おすすめのワイドの買い方を3つ紹介します。
流し
本命となる軸馬から、数頭の相手を組み合わせる買い方です。軸馬が3着以内に入らないと不的中になるので、慎重に選ばなければいけません。
基本的には上位人気を軸にし、中穴〜穴馬を相手に選ぶのが一般的。とはいえ1番人気が絡むと配当があまり期待できないので、あえて外した組み合わせにするのも有効です。
フォーメーション
軸を複数選びたい場合はフォーメーションで購入します。軸1頭流しに比べ的中率を高めやすいですがその反面、点数も増えてしまいます。
とはいえ、組み合わせを絞ればその問題は解消されます。分析力が求められますが、軽新聞や予想サイトなどの情報を活用し、組み合わせを決めていきましょう。
ボックス
点数が増えてしまいますが、人気薄の馬が好走しそうであればボックスも効果的。決着次第ではトリプル的中を獲得できるので、思わぬ配当を得られる可能性もあります。
ただし、プラス収支を狙うのであれば「いかに人気薄を絡めるか」がポイント。上位人気で決着するとトリガミで終わりやすいので、勝負レースを見極めなければいけません。
ワイドを購入する際の注意点
ワイドはおいしさがある反面、購入する際の注意点もあります。主な注意点が次の3つです。
- 高額配当は狙いにくい
- トリガミになるリスクもある
- 中穴〜穴馬も入れなければいけない
それぞれ詳しく解説していきます。
高額配当は狙いにくい
ワイドは当てやすい代わりに払戻がそれほど高くなりません。稀に万馬券が出るレースもありますが、可能性は限りなく0%に近いです。
そのためワイドで勝負する際は、ローリスク・ローリターンで地道にコツコツ勝ち続けるのが基本になります。とはいえ、馬を絞り1点あたりの購入金額を増やせば、おいしい配当も期待できます。
トリガミになるリスクもある
ワイドの平均払戻は600円ほど。これを念頭に置かなければいけません。例えばワイドをボックスで購入する場合、4頭選ぶと買い目が6点になります。
しかし、1〜4番人気の上位ばかり選ぶと的中したとしても払戻が低く、回収率も100%を下回る可能性があります。点数を抑えることはもちろんですが、的中したときの払戻も考慮し買い目を判断しましょう。
中穴〜穴馬も入れなければいけない
おいしい配当を狙うなら、中穴〜穴馬も買い目に入れなければいけません。1〜3番人気の馬が3着以内に入る確率は80%以上と言われているので、人気馬から穴馬に流す、もしくはボックスに入れる形が理想的です。
とはいえ、穴馬を選ぶためには根拠が必要です。レースの傾向やデータ、出走馬の戦績など、さまざまな情報を分析します。
そこで重宝するのが競馬予想サイトです。有益な情報を無料で配信してくれるサイトも豊富なので、ぜひ活用してみてください。
まとめ
「払戻が少ないから一攫千金を狙いにくそう」と思うかもしれませんが、ワイドはローリスク・ローリターンで堅く勝負する際にはもってこいの券種。結果次第では想像以上においしい払戻も期待できます。
ポイントは点数を絞り、穴馬をうまく絡めること。上位人気での決着はトリガミになりやすいので、レースを見極めてワイドで勝負しましょう。