日本競馬の歴史は非常に古く、これまで数多くの馬がターフを駆け抜けました。
その中には世代の中心に立った名馬もいますし、馬を支えた騎手の力量も多いです。
特に、トップクラスのジョッキーになると馬に対する思い入れも強くなるようです。
そこで、今回はジョッキーが選ぶ歴代最強馬をランキング形式で紹介します。
同時に、各部門ごとに歴代最強馬もまとめました。
過去に活躍した名馬の活躍が気になる方はぜひ最後までご覧ください!
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ジョッキーが選ぶ歴代最強馬TOP10
競馬の歴史は古く、これまで数多くの騎手がターフでしのぎを削ってきました。
その中で、一流と呼ばれる騎手は数多くの馬に騎乗しましたが、その中には思い入れの強い馬もいます。
各騎手が思う最強馬をランキング形式でまとめました。
新旧問わず名馬を解説しているので昔の名馬が気になる方はぜひご覧ください。
10位:エルコンドルパサー
生年月日 | 1995年3月17日 牡 黒鹿毛 |
父 | Kingmambo |
母 | Saddlers Gal |
母の父 | Sadler’s Wells |
通算成績 | 11戦8勝 |
G1勝利数 | 3勝 |
主な勝ち鞍 | NHKマイルカップ(G1) 1998年
ジャパンカップ(G1) 1998年 サンクルー大賞(G1) 1999年 ニュージーランドトロフィー(G2) 1998年 フォワ賞(G2) 1999年 共同通信杯4歳ステークス(重賞) 1998年 |
獲得賞金額 | 4億5300万800円 |
死没 | 2002年7月16日 |
外国馬のエルコンドルパサーは2021年まで騎手として、2022年以降は調教師として活躍している蛯名正義騎手のお手馬です。
同期はスペシャルウィークやグラスワンダー、キングヘイローで、花の98世代の馬です。
皐月賞やダービーといったクラシックレースとは無縁でしたが、NHKマイルカップを勝利し、同年ジャパンカップも優勝しました。
古馬になってからは凱旋門賞を目標に、欧州のレースに特化したレースプランが組まれ、国内でレースすることはありませんでした。
しかし、順当に欧州向きの身体になったエルコンドルパサーは凱旋門賞において、これまで見せなかった逃げで2着入りしたのです。
勝ち馬モンジューとの差は半馬身、3着以下には6馬身以上差があり、敗れはしたものの非常に惜しい競馬でした。
そして、日本調教馬馬として史上初となる凱旋門賞2着を成し遂げたのです。
エルコンドルパサーは腸捻転(ちょうねんてん)のため、7歳で死去しましたが、その輝かしい成績は未来永劫語り継がれるでしょう。
9位:テイエムオペラオー
生年月日 | 1996年3月13日 |
父 | オペラハウス |
母 | ワンスウエド |
母の父 | Blushing Groom |
通算成績 | 26戦14勝 |
G1勝利数 | 7勝 |
主な勝ち鞍 | 皐月賞(G1) 1999年
天皇賞(春)(G1) 2000年・2001年 宝塚記念(G1) 2000年 天皇賞(秋)(G1) 2000年 ジャパンカップ(G1) 2000年 有馬記念(G1) 2000年 京都記念(G2) 2000年 阪神大賞典(G2) 2000年 京都大賞典(G2) 2000年・2001年 毎日杯(G3) 1999年 |
獲得賞金額 | 18億3518万9000円 |
死没 | 2018年5月17日 |
テイエムオペラオーは現在も中堅騎手として活躍している和田竜二騎手がデビューから引退まですべて騎乗していた馬です。
当時20台前半だった和田騎手を一人前にした馬としても有名で、和田騎手にとっても思い入れの深い馬でした。
テイエムオペラオーの快挙といえば、日本競馬史上ただ1頭、グランドスラムを成し遂げたことでしょう。
グランドスラムとは、同年の古馬が出走できる中・長距離重賞を完全制覇することです。
対象となるレースは天皇賞(春・秋)、宝塚記念、ジャパンカップ、有馬記念の5つで、いまでもこの5つを勝つのは難しいです。
厳しいレースプランの中、テイエムオペラオーは、2000年にグランドスラムを達成しました。
それだけではなく、前哨戦の京都記念や阪神大賞典、京都大賞典も勝利し2000年代は8戦8勝でターフを駆け抜けました。
無敗の戦績、そして21世紀初頭が重なり、いつしか「世紀末覇王」の異名まで取られるようになったのです。
引退後は種牡馬入りしていますが、現役のころとは打って変わって産駒は走りませんでした。
晩年まで種牡馬として活躍していましたが、2018年5月に心臓まひのため、亡くなっています。
8位:ナリタブライアン
生年月日 | 1991年5月3日 |
父 | ブライアンズタイム |
母 | パシフィカス |
母の父 | Northern Dancer |
通算成績 | 21戦12勝 |
G1勝利数 | 5勝 |
主な勝ち鞍 | 朝日杯3歳ステークス(G1) 1993年
皐月賞(G1) 1994年 東京優駿(G1) 1994年 菊花賞(G1) 1994年 有馬記念(G1) 1994年 スプリングステークス(G2) 1994年 阪神大賞典(G2) 1995年・1996年 共同通信杯4歳ステークス(G3) 1994年 |
獲得賞金額 | 10億2691万6000円 |
死没 | 1998年9月27日 |
中央競馬史上5頭目となるクラシック三冠を成し遂げたナリタブライアンは南井克巳騎手が主戦を務めた馬です。
デビュー戦は芝の1,200m戦でしたが、距離を伸ばしても勝ち続けていることから、クラシックに参戦しました。
皐月賞では2着馬に3馬身差のレコード勝ち、ダービーは5馬身差、そして、菊花賞は7馬身差の圧勝、しかもレコード勝利でした。
その勢いで有馬記念も勝利し、シンボリルドルフ以来となる三冠馬の誕生に多くの競馬ファンは胸が躍ったことでしょう。
古馬になって関節炎を発症してからは調子を落としましたが、1996年の阪神大賞典ではマヤノトップガンにぎりぎり先着しました。
レース中盤から行われたマッチレースに多くの競馬ファンが興奮し「史上最高のG2レース」と評する人もいたのです。
引退後は種牡馬入りしましたが、胃破裂を発症し、8歳で亡くなりました。
2024年現在、三冠馬としては唯一後継種牡馬を残すことができなかったのです。
7位:シンボリルドルフ
生年月日 | 1981年3月13日 |
父 | パーソロン |
母 | スイートルナ |
母の父 | スピードシンボリ |
通算成績 | 16戦13勝 |
G1勝利数 | 7勝 |
主な勝ち鞍 | 皐月賞(G1) 1984年
東京優駿(G1) 1984年 菊花賞(G1) 1984年 有馬記念(G1) 1984年・1985年 天皇賞(春)(G1) 1985年 ジャパンカップ(G1) 1985年 日経賞(G2) 1985年 弥生賞(G3) 1984年 セントライト記念(G3) 1984年 |
獲得賞金額 | 6億8482万4200円 |
死没 | 2011年10月4日 |
史上4頭目の三冠馬であるシンボリルドルフは、現在競馬評論家として活躍している岡部幸雄騎手が全レースで騎乗しました。
シンボリルドルフは80年代の競馬界で日本競馬史上最初の「無敗の三冠馬」になった馬です。
三冠馬ということで中距離から長距離を得意としていますが、デビュー戦は芝1,000mでした。
そして、続くいちょう特別も芝1,600mだったので、短距離から長距離まで幅広く距離で結果を残していました。
勝利した皐月賞や有馬記念は当時のレコード勝ちで、格別なポテンシャルを秘めていたことが分かります。
また、出走した16戦のうち国内で敗れたレースは2戦のみで、安定感も抜群です。
輝かしい戦績でまさに皇帝にふさわしい活躍を見せたシンボリルドルフは、種牡馬としても二冠馬トウカイテイオーを輩出しました。
しかしながら、トウカイテイオー以外の馬に目だった馬はおらず、意外にもその血筋は細くなっています。
なお、シンボリルドルフは長寿で、2011年、30歳で亡くなりました。
6位:キタサンブラック
生年月日 | 2012年3月10日 |
父 | ブラックタイド |
母 | シュガーハート |
母の父 | サクラバクシンオー |
通算成績 | 20戦12勝 |
G1勝利数 | 7勝 |
主な勝ち鞍 | 菊花賞(G1) 2015年
天皇賞(春)(G1) 2016年・2017年 ジャパンカップ(G1) 2016年 大阪杯(G1) 2017年 天皇賞(秋)(G1) 2017年 有馬記念(G1) 2017年 スプリングステークス(G2) 2015年 セントライト記念(G2) 2015年 京都大賞典(G2) 2016年 |
獲得賞金額 | 18億7684万3000円 |
北島三郎さんが所有するキタサンブラックは武豊騎手が主戦を務めた名馬です。
父ブラックタイド、母の父サクラバクシンオーというマイナー血統からは考えられないほどの実力馬で、G1タイトルを7つ手にしています。
クラシックの年は同期のドゥラメンテに二冠を取られましたが、最後の一冠である菊花賞を制すると、翌年の天皇賞(春)を連破しました。
ステイヤーとしての素質を大いに開花させていたのです。
また、ジャパンカップや有馬記念、大阪杯といった主要なレースもすべて勝ち切ることができました。
宝塚記念だけは勝利がありませんでしたが、もしも勝利していたら「変則グランドスラム」を成し遂げていたことでしょう。
2012年生まれの馬としては珍しく、引退まですべて国内に専念したことで日本の競馬ファンに愛された名馬です。
引退後は種馬になり、年度代表馬イクイノックスをを輩出したことで種牡馬としての価値も高まっています。
5位:アーモンドアイ
生年月日 | 2015年3月10日 |
父 | ロードカナロア |
母 | フサイチパンドラ |
母の父 | サンデーサイレンス |
通算成績 | 15戦11勝 |
G1勝利数 | 9勝 |
主な勝ち鞍 | 桜花賞(G1) 2018年
優駿牝馬(G1) 2018年 秋華賞(G1) 2018年 ジャパンカップ(G1) 2018年・2020年 ドバイターフ(G1) 2019年 天皇賞(秋)(G1)2019年・2020年 ヴィクトリアマイル(G1) 2020年 シンザン記念(G3) 2018年 |
獲得賞金額 | 19億1526万3900円 |
ルメール騎手とのコンビで数多くのG1タイトルを手にしたアーモンドアイは史上5頭目の三冠牝馬です。
牡馬顔負けの追込競馬を得意としており、桜花賞やオークスでも高いパフォーマンスで勝利しました。
しかし、アーモンドアイのベストバウトは3歳の時に挑んだジャパンカップです。
ジャパンカップではこれまでとは打って変わって先行策をとり、ワールドレコードとなる2分20秒6の記録で優勝しました。
世界レコードを1秒以上更新し、世界中の競馬界に衝撃を走らせたのです。
古馬になってからも東京コースを中心に活躍し、芝のG1タイトルを9つも手にしました。
2024年6月時点で芝G1最多ホルダー保有馬となっています。
世界レコードやG1数だけではなく、父ロードカナロアの種牡馬価値や外厩の実力を世に浸透させています。
また、現在トレンドになる筒あるぶっつけG1の常態化など、競馬界に大きな変革をもたらした牝馬でした。
4位:オルフェーブル
生年月日 | 2008年5月14日 |
父 | ステイゴールド |
母 | オリエンタルアート |
母の父 | メジロマックイーン |
通算成績 | 21戦12勝 |
G1勝利数 | 6勝 |
主な勝ち鞍 | 皐月賞(G1) 2011年
東京優駿(G1) 2011年 菊花賞(G1) 2011年 有馬記念(G1) 2011年・2013年 宝塚記念(G1) 2012年 スプリングステークス(G2) 2011年 神戸新聞杯(G2) 2011年 フォワ賞(G2) 2012年・2013年 産経大阪杯(G2) 2013年 |
獲得賞金額 | 15億7621万3000円 |
オルフェーヴルは史上7頭目の三冠馬で、「金色の暴君」の異名で知られた名馬です。
スタミナとパワーを活かしたパワフルな競馬を得意としている反面、父譲りの気性難を持ち併せていました。
新馬戦や菊花賞はゴール入線後に池添騎手を振り落とし、阪神大賞典では大きく後退しつつも巻き返したり、逸話は豊富です。
しかしながら、その実力は本物で最初に挑んだ凱旋門賞では直線で先頭に立って勝ち切る直前まで行きました。
しかし、ゴール手前で騎乗したペリエ騎手曰く、「走る気を失い」、なんと2着入線したのです。
もしもオルフェーヴルにもう少しやる気があれば史上初となる日本馬の凱旋門賞制覇を達成できていたかもしれません。
三冠レース以上に逸話が多い馬ですが、引退レースとなった有馬記念では8馬身差の圧勝で三冠馬の威厳を証明しました。
現在は種牡馬として、第二の馬生を送っています。
3位:サイレンススズカ
生年月日 | 1994年5月1日 |
父 | サンデーサイレンス |
母 | ワキア |
母の父 | Miswaki |
通算成績 | 16戦9勝 |
G1勝利数 | 1勝 |
主な勝ち鞍 | 宝塚記念(G1) 1998年
中山記念(G2) 1998年 金鯱賞(G2) 1998年 毎日王冠(G2) 1998年 小倉大賞典(G3) 1998年 |
獲得賞金額 | 4億5598万4000円 |
死没 | 1998年11月1日 |
サイレンススズカは大逃げの代名詞的存在で、武豊騎手の人生に大きな影響を与えた馬です。
亡くなってから25年以上経ついまも有名な馬ですが、意外にもクラシックの勝ち星はありませんでした。
なぜなら、当時は大逃げの競馬スタイルを確立できていなかったからです。
ところが、古馬になって武豊騎手が大逃げの競馬を教えると、そこから破竹の6連勝を飾りました。
そして、1998年の天皇賞(秋)でも単勝オッズ1.2倍の圧倒的1番人気に支持されましたが、レース中に故障を発生してしまいます。
左前脚の粉砕骨折を発症したため、ターフ上で安楽の処置がとられました。
武豊騎手にとってこの1戦の落胆は相当なもので、今でも悔しいとコメントされています。
しかし、2024年現在もターフで活躍し、過去の苦しさを乗り越えた姿を見せています。
2位:イクイノックス
生年月日 | 2019年3月23日 |
父 | キタサンブラック |
母 | シャトーブランシュ |
母の父 | キングヘイロー |
通算成績 | 10戦8勝 |
G1勝利数 | 6勝 |
主な勝ち鞍 | 天皇賞(秋)(G1) 2022年・2023年
有馬記念(G1) 2022年 ドバイシーマクラシック(G1) 2023年 宝塚記念(G1) 2023年 ジャパンカップ(G1) 2023年 東京スポーツ杯2歳ステークス(G2)2021年 |
獲得賞金額 | 22億1544万6100円 |
昨年までターフで活躍していたイクイノックスは、ルメール騎手がデビューから引退まで手綱を握りました。
意外にもクラシックレースは勝利していませんが、通算10戦8勝、内6勝がG1で破れた2戦はどちらも2着と安定感は抜群です。
イクイノックスは自在性の高い馬で、基本的には追込競馬を得意としています。
ところが、ドバイシーマクラシックでは逃げて楽勝しました。
2023年の天皇賞(秋)では超ハイペースの中先行し、各馬が失速するのを後目に1分55秒2のレコードタイムで勝利しています。
引退レースとなったジャパンカップでも同年の三冠牝馬リバティアイランドに4馬身差の圧勝で、別格の実力を見せつけました。
5歳以降の活躍にも期待できましたが、将来性とレースの事故を考慮し、4歳で引退、2024年からは種牡馬入りしています。
1位:ディープインパクト
生年月日 | 2002年3月25日 |
父 | サンデーサイレンス |
母 | ウインドインハーヘア |
母の父 | Alzao |
通算成績 | 14戦12勝 |
G1勝利数 | 7勝 |
主な勝ち鞍 | 皐月賞(G1) 2005年
東京優駿(G1) 2005年 菊花賞(G1) 2005年 天皇賞(春)(G1) 2006年 宝塚記念(G1) 2006年 ジャパンカップ(G1) 2006年 有馬記念(G1) 2006年 弥生賞(G2) 2005年 神戸新聞杯(G2) 2005年 阪神大賞典(G2) 2006年 |
獲得賞金額 | 14億5455万1000円 |
死没 | 2019年7月30日 |
歴代最強馬ナンバーワンはディープインパクトです。
ディープインパクトはシンボリルドルフ以来となる、無敗の三冠馬で、デビューから引退レースまで武豊騎手が騎乗していました。
通算成績14戦12勝、国内のレースで唯一破れたのが3歳の有馬記念のみという、輝かしい成績を残しています。
小柄な馬体からは想像できない飛ぶような走りが武器で、騎乗した武豊騎手もほかの馬とは全く違うと太鼓判を推していました。
ディープインパクトの実力は戦績を見ればいうまでもありません。
道中後方から颯爽と追い込む姿は視覚的にも見ごたえがあり、競馬に興味のない人にもその名は行き渡っていたのです。
4歳の時点でG1タイトルを7勝しており、翌年以降も間違いなく活躍できましたが、4歳の有馬記念を最後に引退しています。
ディープインパクトがデビューしたころに、父サンデーサイレンスが亡くなったため、後継種牡馬の確保が急務になりました。
ディープインパクトの戦績はまさにポストサンデーサイレンスとしてふさわしく、4歳で引退することとなったのです。
なお、種牡馬入りしてからも数多くのG1馬を輩出し、競走馬だけではなく種牡馬としても競馬界に多大なる影響を与えました。
晩年まで種牡馬を全うしましたが、2019年の7月に頸椎の骨折のため、亡くなりました。
【番外編】惜しくもランク外の名馬たち
前章ではジョッキーが選ぶ名馬を10頭紹介しました。
その中には、惜しくもランクに入らなかった馬もいます。
今回ランク外だった馬で、ジョッキーからしたらぜひ推薦したくなるような馬を特別に3頭紹介します。
ウオッカ
生年月日 | 2004年4月4日 |
父 | タニノギムレット |
母 | タニノシスター |
母の父 | ルション |
通算成績 | 26戦10勝 |
G1勝利数 | 7勝 |
主な勝ち鞍 | 阪神JF(G1) 2006年
安田記念(G1) 2008年・2009年 天皇賞(秋)(G1) 2008年 ヴィクトリアマイル(G1) 2009年 ジャパンカップ(G1) 2009年 東京優駿(G1) 2007年 チューリップ賞(G3) 2007年 |
獲得賞金額 | 13億3356万5800円 |
死没 | 2019年4月1日 |
ウオッカは64年ぶりに日本ダービーを制した牝馬で、四位騎手や武豊騎手とのコンビで数多くのG1を制しました。
2歳のころは阪神JFを制し、誰もが牝馬三冠に挑むと思っていたことでしょう。
ところが、桜花賞敗退後はオークスではなく日本ダービーに出走を表明しました。
牝馬の参戦は11年ぶりでしたが、これまでのレースの時計からダービーでも戦えると判断して出走したようです。
そして、レース本番では直前までさんざん言われていた批判を覆す走りで見事優勝し、史上3頭目となるダービー牝馬となったのです。
ダービーを制した後も、東京コースのG1レースを蹂躙し、最終的にG1タイトルを7つ手にしました。
ダイワスカーレット
生年月日 | 2004年5月13日 |
父 | アグネスタキオン |
母 | スカーレットブーケ |
母の父 | ノーザンテースト |
通算成績 | 12戦8勝 |
G1勝利数 | 4勝 |
主な勝ち鞍 | 桜花賞(G1) 2007年
秋華賞(G1) 2007年 エリザベス女王杯(G1) 2007年 有馬記念(G1) 2008年 産経大阪杯(G1) 2008年 ローズステークス(G2) 2007年 |
獲得賞金額 | 7億8668万5000円 |
ダイワスカーレットはウオッカと同期の牝馬で、牝馬三冠の内のふたつを手にしました。
現在は競馬評論家として活躍している安藤勝己騎手がデビューから引退まで手綱を執ったことでも有名です。
ダイワスカーレットはウオッカほど多くのG1タイトルを手にしていませんが、12戦すべてで連対しており、安定感のある馬でした。
特に、ウオッカと最後の対決となった天皇賞(秋)はレコードタイムで走破しています。
そして、引退した有馬記念も37年ぶりとなる牝馬の有馬記念制覇を成し遂げ、その実力は現役でも最強クラスでした。
なお、オークスはレース直前に熱発を発症し、回避しています。
何事もなければ三冠牝馬を達成できていたかもしれません。
オグリキャップ
生年月日 | 1985年3月27日 |
父 | ダンシングキャップ |
母 | ホワイトナルビー |
母の父 | シルバーシャーク |
通算成績 | 32戦22勝 |
G1勝利数 | 4勝 |
主な勝ち鞍 | 有馬記念(G1) 1988年・1990年
マイルチャンピオンシップ(G1) 1989年 安田記念(G1) 1990年 NZT4歳S(G2) 1988年 高松宮杯(G2) 1988年 毎日王冠(G2) 1988年・1989年 ペガサスS(G3) 1988年 毎日杯(G3) 1988年 京都4歳特別(G3) 1988年 オールカマー(G3) 1989年 |
獲得賞金額 | 9億1251万2000円 |
死没 | 2010年7月3日 |
第二次競馬ブームの火付け役となったオグリキャップは80年代末期の競馬界のアイドルホースでした。
デビューは地方笠松競馬で、無双した後、中央へ移籍しています。
地方から中央で活躍する馬は稀でしたが、オグリキャップは初めての芝コースにも適応し、数多くのレースを勝利しました。
特に、この当時は芦毛の馬は走らないといわれていましたが、そのような下馬評を覆す走りを見せ、G1タイトルまで届いたのです。
晩年は少し調子を落とすこともありましたが、引退レースとなった有馬記念で有終の美を飾り、奇跡の復活を果たしたのです。
有名ジョッキーが選ぶ最強馬
これまで歴代最強馬というテーマで有名馬をピックアップしました。
ここからは、有名ジョッキーがテレビ番組や取材を通して語った最強馬を紹介します。
意外なあの馬を最強に指名したケースもあるのでぜひ参考にしてください。
武豊:サイレンススズカ
生年月日 | 1994年5月1日 |
父 | サンデーサイレンス |
母 | ワキア |
母の父 | Miswaki |
通算成績 | 16戦9勝 |
G1勝利数 | 1勝 |
主な勝ち鞍 | 宝塚記念(G1) 1998年
中山記念(G2) 1998年 金鯱賞(G2) 1998年 毎日王冠(G2) 1998年 小倉大賞典(G3) 1998年 |
獲得賞金額 | 4億5598万4000円 |
死没 | 1998年11月1日 |
現在も騎手として活躍しているレジェンド武豊騎手が最強に指名した馬はサイレンススズカでした。
サイレンススズカは最強馬トップ10にも紹介しましたが、歴代最強の逃げ馬としても有名です。
序盤からハイペースで競馬を行うと、ふつうは最後に失速しますが、サイレンススズカはそのままゴールまで突っ切ってしまいます。
机上の空論上の仮説を実現してしまう馬で、金鯱賞や毎日王冠では強敵相手に勝ち切ることができました。
なお、武豊騎手はあるインタビューで「ディープインパクトに勝てる馬は誰?」と質問された際、
「サイレンススズカ」
と応えています。
最強馬として名高いディープインパクトにも勝てるだけのポテンシャルがサイレンススズカにはあったようです。
福永祐一:シルバーステート
生年月日 | 2013年5月2日 |
父 | ディープインパクト |
母 | シルヴァースカヤ |
母の父 | Silver Hawk |
通算成績 | 5戦4勝 |
G1勝利数 | 0勝 |
主な勝ち鞍 | 垂水ステークス(1,600万円下) 2017年 |
獲得賞金額 | 5158万1000円 |
無敗の三冠馬であるコントレイルの主戦騎手を務めた福永祐一騎手もこれまで大舞台の第一線で競馬を行っていました。
数多くの馬に騎乗した福永騎手が最強に指名した馬は、シルバーステートです。
シルバーステートは主な勝ち鞍が1,600万下の垂水ステークス、重賞出走歴はありません。
戦績だけ見たら全く目立ちませんが、それでも福永騎手がはじめて騎乗した際、
「ダービーを狙える」
と感じたそうです。
福永騎手の直観通り、順当にクラス戦を勝ち上がりましたが、4歳のときに屈腱炎を発症したため引退しています。
結果的には3勝クラスどまりでしたが、福永騎手の評価やレース内容が評価され、クラス戦の馬として異例の種牡馬入りが叶いました。
C.ルメール:アーモンドアイ
生年月日 | 2015年3月10日 |
父 | ロードカナロア |
母 | フサイチパンドラ |
母の父 | サンデーサイレンス |
通算成績 | 15戦11勝 |
G1勝利数 | 9勝 |
主な勝ち鞍 | 桜花賞(G1) 2018年
優駿牝馬(G1) 2018年 秋華賞(G1) 2018年 ジャパンカップ(G1) 2018年・2020年 ドバイターフ(G1) 2019年 天皇賞(秋)(G1)2019年・2020年 ヴィクトリアマイル(G1) 2020年 シンザン記念(G3) 2018年 |
獲得賞金額 | 19億1526万3900円 |
ルメール騎手が選ぶ最強馬はアーモンドアイです。
アーモンドアイは歴代最強馬TOP10にランクインしている馬で、牝馬三冠を制しました。
それだけではなく、ワールドレコードホルダーとしての地位を確立しています。
古馬になってからも高いレベルで安定していますし、牡馬相手にも渡り歩いた実力馬でした。
芝G1タイトルを9つ手にしているので、まさに最強馬にふさわしいでしょう。
部門別で見る歴代最強馬
ここまでは総合的に最強馬をピックアップしました。
ところが、競馬は短距離やマイル、さらにはダートまで、舞台や距離次第で最強を名乗る馬がたくさんいます。
各部門別に、歴代最強馬をまとめましたのでご覧ください。
最強牝馬:アーモンドアイ
生年月日 | 2015年3月10日 |
父 | ロードカナロア |
母 | フサイチパンドラ |
母の父 | サンデーサイレンス |
通算成績 | 15戦11勝 |
G1勝利数 | 9勝 |
主な勝ち鞍 | 桜花賞(G1) 2018年
優駿牝馬(G1) 2018年 秋華賞(G1) 2018年 ジャパンカップ(G1) 2018年・2020年 ドバイターフ(G1) 2019年 天皇賞(秋)(G1)2019年・2020年 ヴィクトリアマイル(G1) 2020年 シンザン記念(G3) 2018年 |
獲得賞金額 | 19億1526万3900円 |
歴代最強の牝馬はアーモンドアイです。
これまで再三紹介しましたが、なんといっても3歳のジャパンカップにおいて、世界記録を1秒以上更新したパフォーマンスが圧巻です。
古馬になってからも東京コースを中心に、G1ホルダーを増やしました。
そして、引退レースとなった2020年のジャパンカップではコントレイルとデアリングタクトといった三冠馬相手に勝利します。
最後まで強い走りを見せ、世代最強の実力を見せつけたのでした。
最強スプリンター:サクラバクシンオー
生年月日 | 1989年4月14日 |
父 | サクラユタカオー |
母 | サクラハゴロモ |
母の父 | ノーザンテースト |
通算成績 | 21戦11勝 |
G1勝利数 | 2勝 |
主な勝ち鞍 | スプリンターズS(G1) 1993年・1994年
スワンステークス(G2) 1994年 クリスタルカップ(G3) 1992年 ダービー卿CT(G3)1994年 |
獲得賞金額 | 5億2125万3000円 |
死没 | 2011年4月30日 |
史上最強スプリンターはサクラバクシンオーです。
3歳の時に挑んだスプリングステークスで大敗したことを機に、短距離路線を歩みます。
クリスタルカップを勝利して本格的に短距離馬としての素質が開花し、スプリンターズステークスを連覇しています。
スプリンターズステークスの連覇を成し遂げたのはサクラバクシンオーが最初だったのです。
これまでに手にした11勝はすべて短距離レースのもので、マイル以上はほとんど結果を残せなかった生粋のスプリンターでした。
最強マイラー:オグリキャップ
生年月日 | 1985年3月27日 |
父 | ダンシングキャップ |
母 | ホワイトナルビー |
母の父 | シルバーシャーク |
通算成績 | 32戦22勝 |
G1勝利数 | 4勝 |
主な勝ち鞍 | 有馬記念(G1) 1988年・1990年
マイルチャンピオンシップ(G1) 1989年 安田記念(G1) 1990年 NZT4歳S(G2) 1988年 高松宮杯(G2) 1988年 毎日王冠(G2) 1988年・1989年 ペガサスS(G3) 1988年 毎日杯(G3) 1988年 京都4歳特別(G3) 1988年 オールカマー(G3) 1989年 |
獲得賞金額 | 9億1251万2000円 |
死没 | 2010年7月3日 |
最強マイラーはオグリキャップです。
オグリキャップといったら天皇賞(秋)や有馬記念の勝利から中距離馬のイメージが強いです。
ところが、安田記念とマイルチャンピオンの春秋マイルG1を勝利しているように、本質的にはマイラーでした。
先行しながらしぶとく中央のエリートを倒す姿で、第二次競馬ブームの第一人者となったのです。
最強ステイヤー:メジロマックイーン
生年月日 | 1987年4月3日 |
父 | メジロティターン |
母 | メジロオーロラ |
母の父 | リマンド |
通算成績 | 21戦12勝 |
G1勝利数 | 4勝 |
主な勝ち鞍 | 菊花賞(G1) 1990年
天皇賞(春)(G1) 1991年・1992年 宝塚記念(G1) 1993年 阪神大賞典(G2) 1991年・1992年 京都大賞典(G2) 1991年・1993年 産経大阪杯(G2) 1993年 |
獲得賞金額 | 10億1465万7700円 |
死没 | 2006年4月3日 |
史上最強のステイヤーはメジロマックイーンです。
父母ともにメジロの馬で、なおかつ無尽蔵のスタミナを兼ねそろえている馬で、現役時代は菊花賞と天皇賞(春)を制しています。
スタミナだけではなく、先行力にも長けており、中距離の宝塚記念も勝利しました。
中~長距離で安定した結果を残したメジロマックイーンは種牡馬としてもスタミナやパワーに長けた馬を輩出しています。
オルフェーヴルやゴールドシップの母の父として有名で、2頭のスタミナはメジロマックイーンから受け継がれたのかもしれません。
最強ダート馬:クロフネ
生年月日 | 1998年3月31日 |
父 | フレンチデピュティ |
母 | ブルーアヴェニュー |
母の父 | Classic Go Go |
通算成績 | 10戦6勝 |
G1勝利数 | 2勝 |
主な勝ち鞍 | NHKマイルカップ(G1) 2001年
ジャパンカップダート(G1) 2001年 毎日杯(G3) 2001年 武蔵野ステークス(G3) 2001年 |
獲得賞金額 | 3億7023万5000円 |
クロフネはもともと芝G1のNHKマイルカップを勝利した馬です。
ところが、同年秋の武蔵野ステークスのパフォーマンスがあまりにも秀逸でした。
初ダートにもかかわらず、2着馬に9馬身差の圧勝、しかもレコードタイムを更新したことで、ダート馬としての才能を開花させます。
続くジャパンダートダービーでも最強ダート馬相手に7馬身差の圧勝、そしてレコード記録を更新しました。
ダート戦績はこの2戦のみでしたが、勝ちっぷりと時計、そしてレース内容の濃さから最強ダート馬に選定されています。
最強障害馬:オジュウチョウサン
生年月日 | 2011年4月3日 |
父 | ステイゴールド |
母 | シャドウシルエット |
母の父 | シンボリクリスエス |
通算成績 | 40戦20勝 |
J・G1勝利数 | |
主な勝ち鞍 | 中山グランドJ (J・G1) 2016年 – 2020年・2022年
中山大障害(J・G1) 2016年・2017年・2021年 東京ハイジャンプ(J・G2) 2016年・2017年 阪神スプリングJ(J・G2) 2017年・2019年・2020年 東京ジャンプS(J・G3) 2016年 |
獲得賞金額 | 9億4137万7000円 |
最強の障害馬は「絶対王者」の異名で知られたオジュウチョウサンです。
障害レースを9連勝、中山グランドジャンプを6勝など、これまでの障害馬では見たことがない記録を次々打ち出しました。
最終的に手にした障害G1タイトルは9つで、日本競馬史上最多です。
11歳まで怪我無くターフを駆け抜けた姿は多くのファンを魅了し、障害レースの地名度向上にも大きな貢献をしています。
世界最強馬:フランケル
生年月日 | 2008年2月11日 |
父 | Galileo |
母 | Kind |
母の父 | Danehill |
通算成績 | 14戦14勝 |
G1勝利数 | 9勝 |
主な勝ち鞍 | デューハーストS(G1) 2010年
2000ギニー(G1) 2011年 セントジェームズパレスS(G1) 2011年 サセックスステークス(G1) 2011年・2012年 クイーンエリザベスII世S(G1) 2011年 ロッキンジステークス(G1) 2012年 クイーンアンS(G1) 2012年 インターナショナルS(G1) 2012年 チャンピオンS(G1) 2012年 ロイヤルロッジS(G2) 2010年 グリーナムステークス(G3) 2011年 |
獲得賞金額 | 2,998,301ボンド(約4億6000万円) |
世界最強の競走馬はイギリスのフランケルです。
デビューから引退まで14戦レースを行いましたが、なんと一度も負けていません。
それどころか、新馬戦を除いたすべてのレースで2馬身以上の差を付けての完勝でした。
古馬になってからもその脚色は衰えることなく、後続を突き放す競馬はまさに無双といえるでしょう。
4歳で引退してからは種牡馬入りし、日本でもフランケル産駒がターフを走っています。
まとめ
ジョッキーが選ぶ歴代最強馬をランキング形式でまとめました。
いずれの馬も過去の競馬界で大いに活躍した名馬ばかりです。
オールドファンには懐かしい馬、最近競馬を始めた人からしたら過去の名馬に触れ合えたのではないでしょうか。
2023年に引退したイクイノックスのように、さらに強い馬の台頭に期待したいですね。
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口コミ評価 | 4.86点 | 4.80点 | 4.80点 | 4.76点 | 4.57点 | 4.57点 | 4.55点 | 4.86点 | 4.52点 | 4.52点 | 4.51点 | 4.48点 | 4.47点 | 4.86点 | 4.43点 | 4.43点 | 4.38点 | 4.34点 | 4.86点 | 4.21点 |
合計利益 | +2,731,550円 | +55,034,870円 | +5,127,600円 | +3,263,220円 | +4,970,130円 | +4,039,920円 | +730,910円 | +3,860,440円 | +10,670円 | +1,239,940円 | +1,302,200円 | +1,064,020円 | +911,710円 | +2,276,620円 | +697,980円 | +510,370円 | +509,020円 | +1,064,020円 | +356,470円 | +2,451,520円 |
1レース平均利益 | +285,020円 | +336,380円 | +233,070円 | +130,530円 | +248,820円 | +161,570円 | +79,090円 | +154,420円 | +111,780円 | +103,330円 | +130,220円 | +88,670円 | +75,980円 | +910,650円 | +49,220円 | +42,530円 | +42,420円 | +88,670円 | +29,710円 | +98,060円 |
戦績 | 12戦9勝3敗 | 21戦17勝5敗 | 22戦18勝5敗 | 25戦19勝7敗 | 25戦20勝5敗 | 11勝19敗 | 10戦7勝3敗 | 8勝22敗 | 25戦18勝7敗 | 12戦8勝4敗 | 10戦8勝2敗 | 12戦7勝5敗 | 10勝20敗 | 25戦18勝7敗 | 12戦8勝4敗 | 12戦9勝3敗 | 12戦9勝3敗 | 12戦7勝5敗 | 8勝22敗 | 25戦17勝8敗 |
的中率 | 83% | 76% | 81% | 72% | 80% | 81% | 70% | 76% | 72% | 66% | 80% | 58% | 58% | 72% | 66% | 76% | 76% | 58% | 76% | 68% |
回収率 | 281% | 507% | 520% | 261% | 497% | 442% | 232% | 385% | 296% | 293% | 326% | 266% | 249% | 253% | 218% | 186% | 183% | 266% | 155% | 288% |
平均投資金額 | 57,391円 | 74,310円 | 68,760円 | 61,010円 | 50,020円 | 56,240円 | 55,150円 | 54,020円 | 56,840円 | 53,350円 | 57,500円 | 53,350円 | 50,890円 | 59,220円 | 58,170円 | 49,320円 | 50,940円 | 53,350円 | 53,520円 | 54,040円 |
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