
3連単5頭ボックスとは、競馬の3連単(三連勝単式)において5頭の馬を選び、その組み合わせ全てを購入する買い方のことです。高配当が狙える一方で購入点数(組み合わせ数)が多く資金が必要となります。
また、3連単は難易度が高い分配当も高くなりやすい傾向があります。
一部では「5頭ボックスならだいたい当たる」とも言われますが、その真偽や実際の的中率・収支、他の馬券との比較、そして勝率を上げるコツまで、本記事では専門データや公的な統計を引用しながら解説していきます。
目次

1969年デイリースポーツ入社。その後、専門誌・馬三郎にて本紙予想担当。50年越えの競馬記者人生を通して、競馬予想界の大御所と言われるほどに。
当サイトの記事や競馬予想サイトへの口コミ内容を監修している。
監修者紹介ページ3連単5頭ボックスの基本情報
3連単5頭ボックスって、具体的に何通りの買い目があって、いくら必要なの?」「そもそも、なぜ60通りになるの?」
まずはそんな基本的な疑問から解決していきましょう。
買い目点数と馬券代
3連単5頭ボックスの買い目は全60通り(60点)です。1点100円で購入した場合、馬券代は合計6,000円になります。
この買い方の大きな特徴は、選んだ5頭のうち3頭が着順にかかわらず3着以内に入れば的中となる点です。
そのため、1着・2着・3着の順番を細かく予想する必要がありません。
計算は意外とシンプル!なぜ60通りになるのか?
3連単5頭ボックスの「60通り」という点数は、5×4×3=60通りというシンプルな掛け算で求められます。
なぜこの式になるのか、着順のイス取りゲームのように考えると簡単です。
2着のイス → 候補は残りの4頭
3着のイス → 候補はさらに残った3頭
この「5通り」「4通り」「3通り」の可能性をすべて掛け合わせることで、全60パターンの着順が網羅されるというわけです。
例えば「①, ②, ③, ④, ⑤」の5頭を選んだ場合、「①→②→③」から「⑤→④→③」まで、考えうる全ての着順60通りを文字通り全部買いするのが、3連単5頭ボックスなのです。
他の頭数との点数比較
選ぶ頭数 | 3連単ボックスの点数 | 1点100円の場合の投資額 |
---|---|---|
3頭 | 6点 | 600円 |
4頭 | 24点 | 2,400円 |
5頭 | 60点 | 6,000円 |
6頭 | 120点 | 12,000円 |
7頭 | 210点 | 21,000円 |
8頭 | 336点 | 33,600円 |
10頭 | 720点 | 72,000円 |
上の表から分かるように、選ぶ頭数が1頭増えるだけで、買い目点数と投資額は急激に増加します。
このように、4頭では少し心許なく、6頭では投資がかさみすぎる…。
その間で、「的中への期待感」と「投資コスト」のバランスが最も良い選択肢として、多くの競馬ファンに選ばれているのが5頭ボックス(60点/6,000円)なのです。
3連単5頭ボックスのメリット
- 的中範囲が広い: 選んだ5頭中3頭が3着以内に入ればOK。
- 初心者でも挑戦しやすい: 軸馬を1頭に絞る必要がない。
- 高配当が狙える: 人気薄の馬が絡めば大きなリターンも。
メリット①:的中範囲が広く、着順違いの悔しさから解放される
3連単5頭ボックス最大の強みは、その圧倒的なカバー範囲の広さです。
選んだ5頭の中から3頭が3着以内に入りさえすれば、着順は一切問われません。「1着と2着が逆だった…」「軸にした馬が3着に…」といった、競馬で最も悔しい思いをしなくて済むのです。
この「着順を問わない」という安心感は絶大です。例えば、12頭立てレースの場合、3連単1点買いの的中率は約0.08%ですが、5頭ボックス(60点)なら約4.5%まで向上。実に約60倍も当たりやすくなる計算です。
メリット②:初心者でも予想しやすい!軸馬選びに悩まない
「どの馬が強いかは何となく分かるけど、着順までは自信がない…」という競馬初心者の方にとって、5頭ボックスは非常に心強い味方です。
1着に固定する「軸馬」を選ぶ必要はなく、「この5頭の中に、3着までに入る馬がいるはずだ」と信じて選ぶだけ。あとはボックスが全ての着順パターンを自動で購入してくれるため、複雑な予想や迷いから解放されます。
メリット③:伏兵が絡めば高配当!一撃の夢を秘めている
ボックス買いは、思わぬ伏兵(人気薄の馬)が飛び込んできたときに真価を発揮します。
選んだ5頭のうち数頭が人気馬だとしても、そこに1〜2頭の穴馬を混ぜておくことで、その馬が絡んだ瞬間に万馬券などの高配当が現実のものとなります。
堅い決着は押さえつつ、波乱の展開までカバーできるのが大きな魅力です。
3連単5頭ボックスのデメリット
光があれば影があるように、3連単5頭ボックスには無視できないデメリットが存在します。
購入を検討する前に、以下の2つのリスクを必ず理解しておきましょう。
- コストがかかる: 1点100円でも6,000円の投資が必要。
- トリガミのリスク: 的中しても購入額を下回ることがある。
デメリット①:1レース6,000円〜 という投資コストの高さ
最大のデメリットは、そのコストの高さです。
5頭ボックスは60点もの買い目があるため、1点100円という最低単位で購入しても1レースに6,000円の投資が必要になります。これは毎週気軽に買える金額とは言えず、計画的な資金管理が不可欠です。
投資額が大きいため、的中した際の利益(リターン)を確保するためのハードル、いわゆる「回収ライン」も必然的に高くなることを忘れてはいけません。
デメリット②:的中しても損をする「トリガミ」の恐怖
「的中した!」と喜んだのも束の間、払戻金が購入額の6,000円に満たず、結果的に損をしてしまうこと。これが競馬ファンが恐れる「トリガミ」です。
3連単5頭ボックスは、このトリガミが起こりやすい買い方の一つ。特に、選んだ馬が人気上位の馬ばかりで決着すると配当は低くなりがちです。
たとえ的中しても、払戻金が5,900円以下であれば収支はマイナス。60通りも買ったのに、利益が出ない可能性があるのです。
他の馬券との比較
3連単5頭ボックスのメリット・デメリットを理解したところで、次に気になるのは「他の買い方と比べてどうなの?」という点ではないでしょうか。
特に、同じ3連単でもより点数を絞れる「フォーメーション」や、そもそも着順を問わない「3連複」とは、具体的に何が違うのでしょうか。
ここでは、これらの代表的な馬券と比較することで、3連単5頭ボックスの立ち位置と特徴をより深く掘り下げていきます。
3連単フォーメーションとの違い
フォーメーション | ボックス | |
---|---|---|
メリット | コストを大幅に削減できる | 予想がシンプルで分かりやすい |
デメリット | 着順の読みが外れると取りこぼす | 点数が多くコストがかかる |
おすすめの人 | 軸馬を決められる中〜上級者 | 予想に自信がない初心者・混戦レース |
「フォーメーション」とは、1着・2着・3着に来る馬の候補を、着順ごとに個別に指定して購入する方法です。
選んだ5頭の全60パターンを購入する「ボックス」に対し、「フォーメーション」は「この馬は1着か2着までだろう」「この馬は3着ならあり得るかも」というように、着順の可能性に応じて買い目を絞り込みます。
これにより、不要な組み合わせを削ぎ落とし、購入点数を賢く抑えることが可能です。
具体例で比較
同じ5頭(A,B,C,D,E)を選ぶ場合で考えてみましょう。
2着候補:A, B, C(Cは勝てなくても2着までには来そう)
3着候補:A, B, C, D, E(DやEは3着なら可能性あり)
→ この買い方の場合、点数は26点に抑えられます。
なぜなら、「Cが1着になる」「Dが2着になる」といった、自分の予想から外れる組み合わせをカットしているためです。
結論として、自分の予想に自信があり、軸馬を決められる方はフォーメーションで効率よく勝負するのがおすすめです。
一方、「どの馬が来てもおかしくない」と感じるレースや、まだ予想に慣れていない方は、全通りをカバーできるボックスの方がシンプルで安心感があると言えるでしょう。
3連複ボックスとの比較
3連単ボックス | 3連複ボックス | |
---|---|---|
コンセプト | 着順まで完璧に当てる | 上位3頭を当てる |
投資額 (5頭) | 高い (60点) | 安い (10点) |
難易度 | 難しい | 易しい |
配当 | 夢がある (高い) | 堅実 (中程度) |
3連複」は、着順を問わず、上位3着に入る3頭の組み合わせを当てる馬券です。
この「着順」の有無が、同じ5頭ボックスでも投資額に大きな違いを生みます。
3連複 5頭ボックス→10点 (1,000円)
3連単 5頭ボックス→60点 (6,000円)
3連単は1つの組み合わせに対して6通りの着順があるため、点数が6倍になります。当然、3連複の方が格段に当てやすく低コストですが、的中した際の配当は3連単の方が圧倒的に高くなります。
大きな夢を追うなら3連単、的中を楽しみ堅実にいくなら3連複。あなたの目的に合わせて賢く使い分けるのが正解です。
「だいたい当たる」噂の真偽
「3連単5頭ボックスなら、だいたい当たる」
タレントの小嶋陽菜さんによって一躍有名になったこの言葉。多くの競馬ファンが抱くこのイメージは、果たして本当なのでしょうか?
この章では、ご本人の実績から客観的な統計データまでを徹底検証し、この噂の真実に迫ります。
小嶋陽菜さんの発言と実績
確かに、こじはるさんは2016年に回収率116%を記録するなど見事な実績を残しました。
しかし、その年の的中率は24.5%。これは「4回に3回は外れる」計算であり、「だいたい当たる」という言葉のイメージとは異なります。
このフレーズは、彼女の予想センスを際立たせた名キャッチフレーズと捉えるのが妥当でしょう。
実際のデータ検証と結果
出走頭数 | 5頭ボックスの的中率 |
---|---|
18頭 | 約1.2%(約82回に1回) |
16頭 | 約1.8%(約56回に1回) |
12頭 | 約4.5%(約22回に1回) |
結論、「だいたい当たる」は幻想です。
JRAで一般的な12頭立てですら的中率は5%未満。
実際に、競馬系YouTuberが大井競馬の全レースを対象に3連単5頭ボックスで購入した実験では、72,000円投資して払い戻し39,200円と、32,800円のマイナス収支に。
また別の検証では、1~5番人気馬だけを選んで12レースを5頭ボックスで買ったところ、計72,000円の投資に対し払戻金は72,430円(+430円)と辛うじてプラスになる結果でした。
このように全レースを5頭ボックスで買い続けるといった多くの検証企画では、結果的に大幅なマイナス収支で終わっています。
データが示す通り、「3連単5頭ボックス」は「だいたい外れる」のが現実です。
無策で誰でも簡単に勝てるような、甘い馬券ではないことをまず理解することが重要です。
勝率と利益を上げる買い方・コツ
がっかりするのはまだ早いです。「3連単5頭ボックスは勝てない」わけではありません。「無策で買うと勝てない」のです。
ここからは、運任せの予想を卒業し、5頭ボックスを利益に変えるための具体的な戦略を解説します。
「馬選び」「レース選び」「資金管理」という3つのコツをマスターして、勝率を上げていきましょう。
コツ①:馬選びの黄金比「人気馬3頭+穴馬2頭」を使いこなす
3連単5頭ボックスで勝つための馬選びは、「的中」と「利益」のバランスをどう取るかに尽きます。
よくある失敗は、的中させたい一心で人気馬ばかり5頭を選ぶこと。これでは仮に当たっても配当が安く、儲けが出ない「トリガミ」に終わるのが関の山です。
そこで、プロも実践する黄金比が「人気馬3頭+穴馬2頭」という組み合わせです。
まず、実力上位の人気馬3頭を「守り」の軸として的中率を確保します。そして、高配当の起爆剤となる穴馬2頭を「攻め」の駒として加える。この攻守のバランスが、安定した収益への鍵となります。
さらに、この戦略を攻撃的に進化させた上級テクニックが、「あえて上位人気馬を1頭切る」という買い方です。
「この人気馬は過剰評価で、着外に飛ぶ可能性がある」と見抜ければ、それは絶好のチャンス。その馬をボックスから外すことで、的中時の配当は数倍、時には数十倍に跳ね上がります。
もちろん外れるリスクは高まりますが、大きなリターンを狙うためには不可欠な「攻めの買い方」と言えるでしょう。
コツ②:「荒れるレース」を狙い撃つ
5頭ボックスで勝つ秘訣は、レース選びにあります。
まず、断トツの人気馬がいるような「堅いレース」は、配当妙味がなく「トリガミ」のリスクが高いため、見送るのが賢明です。
狙うべきは、どの馬が勝ってもおかしくない「荒れるレース」。例えば、有力馬が拮抗するG1、オッズが割れる混戦模様のレース、あるいは「新馬戦」や「ハンデ戦」のような予測困難なレースです。
こうした場面でこそ、5頭ボックスという「広い網」を張ることで、高配当を狙い撃つチャンスが生まれるのです。
コツ③:トリガミ防止と資金管理
長期的に勝ち続けるためには、攻めの馬選びだけでなく、「守りの戦略」が極めて重要です。
まず、トリガミを避ける習慣をつけましょう。たとえ穴馬を交ぜていても、人気馬同士で決着すればトリガミは起こり得ます。これを防ぐには、購入前に「もし上位人気だけで決まったら配当はいくらか」をオッズで確認するのが有効です。投資額の6,000円を明らかに下回るようなら、そのレースは見送るか、買い目を変えるといった冷静な判断が求められます。
次に、最も重要な資金管理です。
5頭ボックスは1点100円なら6,000円ですが、300円にすれば18,000円と、投資額は簡単に膨れ上がります。
高配当を夢見て一度に大金を投じると、外れた時に冷静さを失い、次のレースでさらに傷口を広げかねません。「外れても痛くない金額で、長期的に楽しむ」。この鉄の掟を守り、持続可能な計画を立てることこそ、最終的な勝利への道です。
予想精度を高める方法
これまで解説した「馬選び」「レース選び」「資金管理」のコツを実践するだけでも、収支は大きく改善するはずです。
しかし、こう感じている方もいるのではないでしょうか?
「そもそも、どの穴馬が狙い目なのか分からない…」
「自分一人で予想を組み立てるのには限界がある…」
そんな時に心強い味方となるのが、プロの予想家やAIによる「競馬予想サイト」や「公式データ」です。
この章では、これらのツールを賢く活用し、あなたの予想精度をさらに一段階引き上げるための方法を紹介します。
競馬予想サイトの活用
自分の予想力を高めるなら、信頼できる競馬予想サイトの活用も有効です。プロの予想家やAIの分析は、自分では見落としがちな穴馬を見つける強力なヒントになります。
ただし、予想サイトは玉石混交。中には根拠の薄い情報も多いため、サイト選びは慎重に行いましょう。
信頼できるサイトかを見極めるには、「運営元が実績を公開しているか」「予想家に専門性があるか」「口コミでの評判は良いか」といった点を基準にすることをおすすめします。
おすすめ競馬予想サイト
最後に、あなたの予想をサポートしてくれる、信頼性の高い情報源をいくつか紹介します。大切なのは、予想を鵜呑みにするのではなく、自分の予想の「参考」や「答え合わせ」として賢く活用することです。
1. 実績公開型の特化サイト
「自分で分析するのは大変…」「もっと早く結果を出したい」と感じるなら、競馬予想の専門家の力を借りるのが最も効率的な近道です。
近年は、AI分析などに特化し、高い回収率を叩きだす専門サイトも増えています。
例えば、AIによる無料予想を公開している「えーあいNEO」は、ぶっちゃ競馬の検証で回収率402%を記録。
的中率 | 96% |
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回収率 | 401% |
的中総額 | 697,740円 |
的中本数 | 28回 |
参加レース数 | 29レース |
合計利益 | 523,740円 |
日程 | 2025年06月15日 | 2025年06月15日 | 2025年06月14日 | 2025年06月14日 | 2025年06月14日 |
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予想 | |||||
結果 | |||||
対象会場/レース名 | |||||
券種 | |||||
的中金額 |
自分の予想の最後のひと押しや、自分では見つけられない穴馬探しのための「強力なツール」として、こうしたサイトをチェックしてみるのも一つの手です。
2. netkeiba.com(国内最大級の競馬ポータルサイト)
競馬ファンなら誰もが知る最大手サイト。
無料で利用できる出馬表や過去データはもちろん、多数のプロ予想家やAIによる予想印・コラムが充実しています。
自分で予想する際はまずはここから情報収集を始めるのが王道です。
3. JRA-VANデータラボ(JRA公式データサービス)
JRA(日本中央競馬会)が提供する公式の有料データサービス。
予想そのものを公開しているわけではありませんが、過去数十年分の詳細なレースデータが手に入ります。自分でデータを分析し、オリジナルの予想を組み立てたい本格派のファンにとっては、最強の武器となるでしょう。
まとめ
3連単5頭ボックスは、多くの組み合わせを網羅することで的中率を上げ、高配当獲得の夢を見られる魅力的な買い方です。しかし、「だいたい当たる」というほど簡単なものではなく、無計画に購入すれば的中率は数%台、収支もマイナスに陥りかねない点には注意が必要です。
こじはるさんのように上手に活用すればプラス収支も狙えますが、そのためには本記事で解説したとおり、人気馬と穴馬のバランス、レース選び、資金配分、そして信頼できる情報源の活用といったポイントをおさえることが大切です。
「だいたい当たる」という噂に惑わされず、データと経験に基づいて工夫を凝らすことで、5頭ボックスでも高配当的中を十分に期待できるでしょう。
ぜひ知識と戦略を武器に、競馬ならではの醍醐味であるビッグ配当獲得にチャレンジしてみてください。最後までお読みいただきありがとうございました。